ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
[257916hit]
■ 今後1ヵ月間のイベントのご案内 ・・資料、石油高騰の謎
現時点では、イランをめぐる緊張度は下がり、原油相場も下落しているが、
この傾向が今後も続くかどうかわからない。先行きは不透明だが、一つはっき
りしている傾向がある。それは、米欧がイランを制裁している間に、イランの
石油ガスの利権が、米欧企業から、ロシアや中国、インドなどBRIC諸国の
国有企業へと移転し続けていることだ。
イランの石油ガス利権について、欧米勢では唯一、フランスのトタール社が、
巨大なサウスパース・ガス田の開発に参画してきた。だがトタールは7月9日、
イランに投資することは非常に危険だと思える状態になったので、イランから
は手を引くと表明した。
http://www.ft.com/cms/s/0/26088244-4ded-11dd-820e-000077b07658.html
その一方、3日後の7月13日には、ロシアのガスプロム社が、イランのガ
ス田開発、ガス・パイプラインの建設などの包括的な開発契約をイラン側と締
結した。トタールが手放した利権をガスプロムが得たわけではないが、フラン
ス勢が出ていき、ロシア勢が拡大した観は強い。
http://news.yahoo.com/s/afp/20080713/wl_mideast_afp/iranrussiaenergyoilgaspoliticscompanygazprom
そして、仏露交代の一連の動きがあった直後の7月16日、米政府はイラン
との核交渉に国務次官を出席させることを決め、テヘランの米大使館の再開話
まで出てきて、フランス勢が恐れていた緊張関係は一気に低下した。トタール
は7月13日になって、イランのガス田開発から撤退するつもりはない、と言
い直した。
http://news.xinhuanet.com/english/2008-07/16/content_8551805.htm
6月から7月にかけて、イランが米イスラエルに攻撃されそうだという見通
しが強まる中、中国はイランとガス田開発について交渉を続け、インドはイラ
ンからパキスタン経由でインドまでガスを運ぶIPIパイプラインの建設計画
について話を進めている。
http://www.presstv.ir/detail.aspx?id=61896§ionid=351020103
ロシアのガスプロムは、イランのほか、北アフリカのリビアとも、リビアが
輸出可能な天然ガスの全量を購入していく契約を結んだ。スーダンやナイジェ
リアでも、旧宗主国のイギリスが、人権侵害を理由に制裁する姿勢を続けてい
る間に、中国の石油ガス会社が入ってきて利権を取られ、アメリカがイギリス
に味方して強硬姿勢でスーダンやナイジェリアの政府を威嚇するほど、これら
の政府は中国に頼る傾向を強める状況にある。
http://www.russiatoday.ru/business/news/27518
イギリスは、ナイジェリアへの軍事介入(ナイジェリア軍の訓練)を検討し
ているが、これはすでにイラクとアフガンで過剰派兵状態にあるイギリス軍に
新たな泥沼を与え、自滅させてしまうと英国内から批判されている。英米が自
滅的な好戦策から抜け出せない間に、中国やロシアなどが、どんどん石油ガス、
インフラ整備、商品の売り込みなどのビジネス利権を拡大している。
http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/richard-dowden-fuel-for-the-opponents-of-neocolonialism-865037.html
▼高騰派はチェイニーら
イランやスーダンなどの状況に共通しているのは、米英が制裁の根拠として
いる「核問題」や「人権問題」の根拠に胡散臭さがあり、米英は胡散臭い言い
がかりに基づく経済制裁を、軍事制裁(侵攻)にまで強めているがために、イ
ランなどより米英の方が「悪」だという状況を作ってしまっていることだ。イ
ランより米英の方が悪なのだから、ロシアや中国が、米英の制止を無視してイ
ランと石油ガス開発の契約をしても、全く悪いことではない、という話になる。
国連のIAEA(国際原子力機関)によると、イランのウラン濃縮は、核燃
料を作るための低濃度に限定されており、高濃度の核兵器開発を行っている兆
候はない。米イスラエルが「イランが核開発をやめないなら空爆も辞さない」
と言っているのは濡れ衣である。
善悪問題ではなく「力」の問題としても、世界最強だった米軍は、イラクと
[5]続きを読む
07月18日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る