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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 社説のパターン
年金が宙に浮いたり、消えたりして不信感が高まっていたところへ、年金からの保険料の天引きが始まったのだから、怒りが爆発したのも無理はない。厚生労働省の担当者が解説書で「終末期の医療費を抑えることが大事だ」と無神経に書いたこともお年寄りの気持ちを傷つけ、怒りを広げた。
しかし、制度を「元に戻せ」と言うだけでは、問題は解決しない。
老人保健制度に戻れば、多くのお年寄りは市町村の運営する国民健康保険に再び入ることになる。今後、お年寄りが増えた時に、いまでも厳しい国保の財政が維持できるとは思えない。
後期高齢者医療制度も老人保健制度も、お年寄りの医療費を会社員の健康保険組合や国保の保険料と税金で支えることに変わりはない。だが、老人保健制度では、お年寄りの保険料も現役世代の保険料もまぜこぜで、だれがどう負担しているのかが分かりづらかった。現役世代の負担が際限なく膨らみかねないという不満もあった。
こうしたあいまいな点をはっきりさせておこうというのが新制度だ。
野党の中にも、以前の制度がよいとは思わないという声がある。民主党はかねて会社員や自営業者、お年寄りを一緒にした保険制度を主張している。しかし、一元化には、年金と同じように、どうやって自営業者らの所得をつかむかといった問題がある。
一方の与党も、野党を無責任だと非難するだけでは済まない。新制度を維持するというのなら、収入の少ない人の保険料を減免するのはもちろんのこと、保険料が上がったり、治療が制限されたりするのではないかというお年寄りの心配を取り除く必要がある。
いま税金の投入は後期高齢者医療費の半分と決められているが、必要に応じて増やすことを明確に打ち出すべきだ。財源問題から逃げていては、「うば捨て山」という批判がいつまでもつきまとい、制度が定着しない。
05月27日(火)
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