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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 防衛庁落城
96年に収賄容疑で逮捕された岡光序治元厚生事務次官=実刑確定=の事件で妻が贈賄業者にマンション改修費を出させ、大理石風呂やシステムキッチンも設置した。このケースでは「おねだり妻」などと問題視されたが、刑事責任は問われなかった。特捜部は、幸子容疑者については、夫とともに長年にわたって継続的に利益提供を受けており、より悪質と判断したとみられる。
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<防衛汚職>守屋前次官の影響力、輸送機から売店のパンまで
2007年11月28日 毎日新聞
接待疑惑発覚から40日、捜査はついに核心にたどりついた。28日、東京地検特捜部が収賄容疑で取り調べを始めた守屋武昌・前防衛事務次官(63)。現職時代、その絶大な力は1基6億円の次期輸送機(CX)エンジンの選定などから、一つ百数十円のパン納入にまで及んだ。しかし、この日タクシーに乗り込む表情は青ざめ、かつての面影はない。癒着の代償は重く、約27万人のトップに君臨した「防衛省の天皇」の名は、地に落ちようとしている。
東京都新宿区矢来町の自宅付近には、報道陣約70人が待ち構えた。午前10時過ぎ、黒っぽいスーツ姿の前次官が現れ、隣には頭から淡いベージュの毛布をかぶった妻(56)とみられる女性の姿が。2人は個人タクシーの後部座席に乗り込み「何か一言お願いします」との問いかけにも無言を貫いた。逮捕を覚悟しているのか、前次官はフラッシュを浴びても顔を伏せず、表情も変えなかった。2度の証人喚問の時より、さらにやせ、疲れた様子だった。
◇ ◇
05年12月と06年2月、同省厚生棟1階の食堂。当時事務次官だった守屋前次官が新メニュー試食会に姿を見せた。新作のパンをほおばり「材料費はいくら?」と質問。次官は食堂を経営する同省共済組合本部の本部長を兼任しているからだ。ただ「次官が来たのは守屋さん以外に記憶がない。こんな所にまで来るのかと驚いた」(組合関係者)。試食会で「お墨付き」を得たパンが、同棟地下1階の売店に並んだ。
この組合は、不自然な金銭やり取りの舞台にもなった。前次官は97年、4500万円を河村延樹・前防衛政策課長(47)=大臣官房付に更迭=に預けて運用を依頼。失敗したため、5年がかりで返済を受けた。特捜部はこの経緯を解明するため、組合に開設された2人の口座に関する資料を入手している。
◇ ◇
次官就任は03年8月。直後から、地方に勤務する親しい自衛隊幹部に直接電話をかけ「明日行くから」と部隊の頭越しで直接約束を取りつけた。米軍普天間飛行場(沖縄県)の移設を巡っては、自らが進める「陸上案」と対極の「海上案」を推した部下を左遷して、日米合意(05年10月)にこぎつけた。CXエンジンに絡んでは今年6〜7月、部下を呼びつけ、山田洋行元専務の宮崎元伸容疑者(69)=業務上横領容疑などで逮捕=が社長を務める日本ミライズとの随意契約を迫った。
「防衛省では一度飛ばされると敗者復活は無理。怖くて意見できなかった」。前次官が振りかざした人事権を前に、職員は服従を迫られた。
◇ ◇
その裏で12年もの間、ひそかに続いた元専務とのゴルフ。プレー代約2万5000円に対し支払いは1万円。回数は300回超に達した。
「一人を以(もっ)て国興り、一人を以て国滅ぶ」。9月3日の離任式で、中国の故事を「好きな言葉」として紹介した前次官はこう続けた。「国の防衛に従事する人の心意気を示す言葉として、いつも忘れず心がけました」。しかしその言葉は今、空虚に響き、同省元職員は「切腹もの」とはき捨てた。
守屋前次官の妻「おねだり女帝」身分なき共犯
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12月01日(土)
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