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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■中越沖地震の記録 (30)
中越沖地震による東京電力柏崎刈羽原発の火災や放射能漏れなどの影響で、風評被害が深刻だとして、県旅館組合(野沢幸司理事長)は、東電に対し、同社や関連企業の従業員が休暇中に県内旅館を利用するよう働きかける方針を決め、7日、県に協力を要請した。
同組合は、来週にも東電側へ今秋の誘客に向け、具体的な対策を取るよう求める。
同組合には県内のホテルや旅館約750軒が加盟。組合によると、これまでに約5万人のキャンセルがあり、今秋の予約も例年より大幅に減っているという。野沢理事長は「(利用者激減は)東電の対応が悪すぎたことが大きい」と述べた。
県庁に泉田裕彦知事を訪れた野沢理事長は「夏だけでなく秋にも被害が出るようでは大変困る。歯止めをかけるため県に協力してほしい」と要望。県に、東電への働きかけのほか、被災者を県内旅館に招待できるように助成を求めた。観光キャンペーン強化や、信頼できる機関による「安全宣言」の必要性なども訴えた。
泉田知事は「(県外へ)正しい情報をきちんと発信していくことが大事。引き続きバックアップしていく」と述べた。
東京電力によると、同社の従業員は約3万8000人。
新潟日報2007年8月7日
10、柏崎原発調査 原子炉被害の解明を急げ(社説) 新潟日報
中越沖地震による東京電力柏崎刈羽原発の揺れは、国内の原発では最大で、世界でも前例のないものだったことが明らかになった。
東電の発表によると、これまでに発生したトラブルは、法令などで報告が義務付けられている十件をはじめ、合わせて千二百六十三件に上る。
放射性物質の大気中、海中への放出や大量の雨漏り、海水の流入が起きている。中でも気掛かりなのは、耐震構造の原子炉建屋内にまで影響が及んでいることだ。
原子炉の真上に設置され、核燃料などをつり上げるためのクレーンの車軸が破損した。ふたのあいた原子炉からは水があふれた。原発の心臓部でのトラブルは想定外の事態である。
原子炉本体が損傷していないかどうか、点検が急がれる。東電の目視点検や県の技術委員会の視察では、異常は見つからなかったという。その技術委座長は、原発被災を「歴史的実験」と述べて辞任した。どんな視点で視察したのか疑わざるを得ない。
今回の地震では七基の原子炉すべてで設計時の想定を大幅に上回る揺れを記録した。揺れの強さを示す加速度は、3号機で想定の二・五倍の二〇五八ガルに達したのをはじめ、五基で一〇〇〇ガルを超えた。
超音波やエックス線などを用いた非破壊検査で、隔壁の深部まで徹底的に調べる必要がある。調査を東電に任せるのではなく、国や県が主導して行うべきだ。
想定外の負荷が掛かった場合、原子炉はどのような影響を受けるのか。未点検の原子炉内の機器や配管部分に、目に見えない変形やねじれなどが生じている恐れはないか。多角的な調査が欠かせない。
地震による原発被害の問題点を分析し、対策を検討する経済産業省の調査対策委員会が先月三十一日に初会合を開いた。八日の現地調査を手始めに、消防体制や耐震性評価の妥当性、機器の安全評価などを検討する。
地震発生から一カ月近くになろうとしている。腰を上げるのが遅すぎるのではないか。
六日からは国際原子力機関(IAEA)の現地調査も始まる。国際的な評価に耐え得る客観的なデータを一刻も早く示すべきだ。原子炉の安全宣言がない限り、地元の不安は消えない。
航空機や鉄道の事故には、対応した専門調査委員会が常設されている。巨大システムである原発に同様の調査委がないのは解せない。
事故やトラブルが起きることを前提に、国の体制を整えるべきだ。緊急対応策ができていないという点では、国も東電と同じである。
[新潟日報8月4日(土)]
08月09日(木)
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