ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■中越沖地震の記録 (1 )
 国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は16日、脱線事故が起きた柏崎駅構内と信越線・米山―笠島間の第1米山トンネル(柏崎市)内に鉄道事故調査官4人を派遣した。柏崎駅構内では停車中の2両編成の先頭車両が、第一米山トンネル内では走行中の17両編成の貨物列車の機関車が脱線した。


新潟日報2007年7月16日
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生死分けた被災現場にぼう然

 亡くなった刈羽村井岡の五十嵐キヨさん(79)は、1階部分が押しつぶされた木造住宅の下敷きになった。キヨさんは地震が起きた時、ナスやトマトを育てている近くの畑から戻ったばかり。戻るのを見かけていた近所の人らが壁をはがし、10分ほどでこたつの辺りで体を縮めていたキヨさんを救出したが、既に意識はなかった。

 同居している長女の敏子さん(57)は16日から柏崎市でパートを始めたため、家にいたのはキヨさん1人。中越地震直前に飼い始め、キヨさんもかわいがっていたビーグル犬も下敷きになった。駆けつけた敏子さん(57)はキヨさん死亡の知らせに「一瞬だったんでしょうね。畑から戻るのがもう少し遅ければ…。運が悪かった」とぼう然とした表情だった。

 地震発生直後の混乱で警察や消防にも出動を断られ、キヨさんの搬送先は長岡市と柏崎市で二転三転した。近所の女性(41)は「キヨさんは明るくて優しく、笑顔が仏様のようだった。(消防なども)大変なのは分かるが、もっと早く救出に来てくれていれば…。中越地震の教訓が生かされていない」と目を赤くしていた。

 崩れ落ち粉々になった土壁の粉じんがもうもうと立ち上る中、怒声を上げながら救助に奔走する住民。柏崎市新花町の住宅倒壊現場ではがれきの中から3人が運び出されたが、中村エツ子さん(81)は周囲の願いもむなしく亡くなった。

 近所の住民によると、エツ子さんは家主としてぺしゃんこになった住宅の1階に1人暮らし、貸家にした2階に2世帯2人が居住。地震当時3人とも家にいた。

 電話が通じず救急車も呼べない中、付近の住民約20人が自宅の被害も顧みず救助を始めた。声を掛け合い「痛い」などと声が返ってきたところから、のこぎりを使うなどして懸命にがれきを取り除いた。

 1時間以上たってから、3人は順次運び出され病院に搬送された。病院で遺体と対面したエツ子さんの親類の女性は「急なことで気が動転している。いろんなところに連絡しないと」と話し、足早に立ち去った。

 倒壊現場で救助を見守った同所の品田秋夫さん(71)は「救急車も来ないから布団を担架代わりにして運び出していた。2時間以上埋まっていて助け出された人もいた」と話し、ドアにぶつかり流血した額をさすった。

 エツ子さんをよく知る付近の女性(76)は「カラオケが趣味で、会えば元気にあいさつする明るい人だった。本当に気の毒」と言葉を詰まらせた。

 亡くなった柏崎市茨目2、中村典子さん(78)は1人暮らし。倒壊した家屋に挟まれて身動きが取れずにいたところを近所の住民数人が抱きかかえて救出し、乗用車で病院に運んだ。住民によると救出時、典子さんは「痛い痛い」とつぶやきながらも、意識ははっきりしていたという。

 近所に住む主婦村田鈴子さん(63)は「よく家の前で世間話をしたが、にこやかで気丈な人だった」と無念そうに話した。


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07月16日(月)
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