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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■中国1〜3月期の成長率11.9%
なるほドリ オバマ米大統領が、中国の胡錦濤国家主席に要請した「人民元の切り上げ」ってどういうこと?
記者 米ドルに対する人民元の価値を高めることです。ドルと円の場合で考えてみましょう。1ドル=100円から90円になる(切り上がる)と、これまで1ドルの商品を輸入するのに100円必要だったのが、90円ですむようになります。一方、輸出する場合は100円の製品が米国で1・11ドルと値上がりし、価格競争力が落ちてしまいます。逆に価値を下げる場合は「切り下げ」といいます。
Q 「円やドルを切り上げる」とは、あまり言わないよね。
A 円、ドル、ユーロなどの主要通貨は「変動相場制」で、原則として、為替市場での自由な取引の結果、相場が決まります。中国は1ドル=約6・8元を基準に1日の変動幅を上下0・5%と決め、その範囲だけで変動させる「管理変動相場制」をとっています。市場の動きはごくわずかしか反映されません。通貨当局が切り上げ、切り下げを決めているのです。
Q これまで切り上げたことはあったの?
A 05年までは1ドル=8・28元に固定し上下0・3%だけ変動させていました。ところが、中国の安い製品が大量に輸出されるようになると、対中貿易赤字の拡大に直面した米国などが切り上げを迫りました。そこで、中国は2・1%高の1ドル=8・11元に切り上げ、複数の通貨に連動させることにしました。
Q 今回の切り上げも米国が求めているの?
A そうです。景気の先行きが不透明になった08年夏から中国は、ドルを買い人民元を売る介入で、人民元を事実上、固定相場に戻していました。自国の輸出産業を保護するのが狙いです。これに対し、今秋に中間選挙を控える米議会は「不当に低い相場で輸出を拡大している」と批判を強めました。「輸出倍増」で雇用創出を目指すオバマ大統領も、中国に繰り返し切り上げを求めています。
Q 中国は応じるかな。
A 人民元をドルに固定することで、中国は世界的な経済危機からいち早く抜け出しました。でも、人民元売り介入を続けると、金余りによるインフレや不動産バブルの懸念が高まります。「米国に言われたから」ではなく、「インフレなどの副作用対処」を理由に、輸出産業に打撃を与えない程度の小幅な切り上げに踏み切るとみられています。(経済部)
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東京朝刊
04月17日(土)
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