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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■日本の未来を暗くする最大のがんは「政治不信」
 実母安子氏(87)から首相への資金提供は02年以降で計約12億4500万円だったことが判明している。検察側は「資金のやり繰りは勝場(被告)らに任せており収支も把握していなかった。母からの資金提供もまったく知らなかった」とする首相の上申書を読み上げた。また安子氏の「(側近から)7、8年前『資金を用立ててやってくれ』と言われ資金提供した。息子には言っていない」などとする上申書も明らかにした。
 検察側は冒頭陳述で、勝場被告が首相の個人資産や安子氏からの提供資金を区別せず保管し、友政懇の支出が不足すると保管資金から補てんし、収支報告書作成の際に過去の寄付者だけでなく、手元の名簿類から氏名や住所を抜き出し個人からの寄付を偽装したことなどを指摘した。「寄付者」の中には故人も含まれていた。
 検察側が読み上げた勝場被告の供述調書によると「クレームが来たら『勘違いだった』と済まそうと思ったが、クレームがなく感覚がまひして存命かどうかの確認も怠るようになった」という。
 勝場被告は被告人質問で動機を「鳩山氏に将来大きい仕事のできる政治家になってほしいと思い、実力があると見せたかったが、実現する資金が集まっていなかった」と説明した。【伊藤直孝】
 
◇解説 幕引き急いだ弁護側 資金提供、謎解けぬまま
 異例のスピード結審の最大の理由は、勝場啓二被告側が一切争わなかった点にある。通常の刑事裁判の場合、起訴内容は認めても刑を軽くするために、家族や同僚らを弁護側証人として尋問し「いかに社会の役に立ってきたか」「判決後に更生を支える支援者がいるか」などを有利な情状として立証する。それさえ見送った点が最大のポイントだ。
 勝場被告は公判で妻を証人申請しない理由を「(事件で迷惑をかけており)これ以上ストレスをかけることはできない」と説明した。しかし同僚らの不出廷理由は語らなかった。弁護側関係者は「とにかく早く終わらせたい」と夏の参院選への影響を最小限に抑えたいとの意図を認める。
 一方、法務・検察幹部は「全証拠に同意しているのだから早期結審が当たり前」と首相側への配慮を否定する。しかし、昨年6月に即日結審(検察審査会の議決を受け、後日追起訴、弁論再開)した西松建設の国沢幹雄元社長=有罪確定=の初公判が午前中から終日審理したのと比べて、勝場被告の審理時間は午後だけでかつ2時間弱と短い。別の幹部は「配慮したとみるのが自然」と語る。
 事件には「首相は実母からの資金提供を知らなかったのか」「実母はどういう名目で資金提供したのか」「巨額の提供資金はどこに消えたのか」など多くの疑問があった。法廷では「資金提供は知らない、政治資金の収支さえ知らない」とする首相や「政治資金とは思っていない。子供への援助だった」とする実母の上申書の要旨部分だけが明らかにされた。各上申書の全文の内容は不明のままで、首相や実母ら鍵を握る人物は法廷で何も語らない。「超スピード審理」を認めた裁判所の訴訟指揮も含め、謎解きの努力さえみせない幕引きは刑事裁判への信頼を揺るがしかねない。【小林直、伊藤直孝】

4、社説:元秘書公判結審 首相は疑問に答えていない
2010年3月30日01時21分 読売新聞
 鳩山首相は、巨額の資金をいったい何に使ったのか。側近議員らに配ったのではないか。こうした疑問に、首相は改めて答えねばなるまい。
 首相の資金管理団体などをめぐる偽装献金事件で、政治資金規正法違反で起訴された元公設第1秘書の初公判が、東京地裁で開かれた。
 元秘書は起訴事実を認め、検察側が禁固2年を求刑し即日結審した。判決は来月言い渡される。
 政治資金収支報告書に、故人を含め実際には献金していない人の氏名を使うなどして、総額約4億円のうそを書いた――。これが元秘書の起訴事実である。
 首相やその母親から提供された資金の一部を個人献金やパーティー券収入に偽装していたもので、母親からの資金提供は、総額12億円余りに上っていた。
 公判では、資金繰りに困った元秘書が、鳩山家に近い人物を介して首相の母親に相談し、資金提供が始まったことが示された。「親がわが子を助けるのは当然」とする母親の上申書も読まれた。

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04月12日(月)
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