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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■枝野氏起用で「刷新」の新風が生まれるか
枝野氏の責任の重さは言うまでもない。同氏が統括した10年度予算案の「事業仕分け」は確かに予算の透明さを増した点で、評価できる。だが実際のムダ削減効果には限界があり、財務省が運営を主導した、との批判もつきまとった。
首相は夏の参院選に向け独立行政法人や公益法人を対象とする事業仕分けを行い、政権浮揚につなげたい考えだ。両法人に官僚OBが代々天下りし、多額の国費が支出される既得権益の構造にどこまで切りこめるか。昨年の「仕分け」以上に国民から厳しく成果が吟味されることを、覚悟しなければならない。
「政治とカネ」をめぐり政権が揺らぐ中、首相から閣僚へのにらみが利かず、改革の目標もかすみがち、という深刻な停滞を鳩山内閣は呈しつつある。枝野氏の起用は巻き返しの端緒にはなり得るが、局面転換は容易でない。首相自らが、その先頭に立たなければならない。
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2010年2月11日 日経
内閣支持率の低落傾向に歯止めをかけ、何とか政権浮揚につなげたいという思惑だろう。
鳩山由紀夫首相は仙谷由人国家戦略・行政刷新相の兼務を解き、民主党の枝野幸男元政調会長を行刷相に起用した。「予算のムダ削減」という看板政策の実現でその手腕が試される。小沢一郎幹事長と距離をおく枝野氏の起用で党内力学が変化するかどうかも、注目点である。
国会の予算審議中に新閣僚の任命や担当替えがあるのは異例だ。鳩山政権では「政治とカネ」をめぐる問題で首相と小沢氏の元秘書らが相次いで刑事責任を問われた。内閣の体制見直しにより反転攻勢のきっかけをつかみたいとの思いは、首相の発言からも伝わってくる。
首相は10日、枝野氏の起用理由を記者団に聞かれると、昨年の予算編成で「事業仕分け」の取りまとめ役だった点に触れて「第2弾をやらないといけない。国民の信頼を回復していくため、できるだけ早く陣頭指揮してもらいたい」と語った。
鳩山内閣は発足からまもなく5カ月となる。2010年度予算案は「子ども手当」などの衆院選の公約を一部盛り込んだ結果、国債の新規発行額は44兆円強に上った。事業仕分けによる歳出削減は7千億円弱にとどまり、行政のムダ削減は現時点では掛け声倒れとなっている。
政治主導で予算の組み替えなどを進めるため、閣僚の兼務を解消して体制を強化する判断は評価できる。枝野氏は民主党で政策通、論客として知られている。4月から実施予定の独立行政法人や公益法人などを対象とした事業仕分けの第2弾でぜひ成果を上げてもらいたい。
枝野氏は党内では仙谷戦略相とともに前原誠司国土交通相を支持する議員グループに属している。小沢氏の幹事長続投に異論を唱えた数少ない一人でもある。今回の閣僚起用に首相と小沢氏の協力関係の微妙な変化を読み取る向きもある。
小沢氏の元秘書で政治資金規正法違反の罪で起訴された石川知裕衆院議員は民主党を離党する方向となった。だが、これで幕引きとはならない。信頼回復のために、首相や小沢氏は、国会の場でさらに説明責任を果たす必要がある。
02月14日(日)
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