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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■「おくりびと」アカデミー賞外国語映画賞を受賞
富山県高岡市出身。成人映画で監督デビューした後、1986年の「コミック雑誌なんかいらない!」で注目され、「病院へ行こう」「陰陽師」などの話題作を連発してきた。明るく快活な性格で、どの映画からもからっとした優しさがにじむ。
妻の元女優・千多枝(ちたえ)さん(44)との間に3女がいる。長女の明依(めい)さん(19)によると、家では良きパパ。「おくりびと」を家族で一緒に見たとき、「自分の映画の解説はしないよ。言いたいことは、すべて映画の中に詰まってるからね」と話したという。
世界的栄冠に輝いた後も、「これまで通り撮り続けたい」と誓った。(文化部 近藤孝)
(2009年2月24日07時10分 読売新聞
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4、社説:アカデミー賞、ダブル受賞が示す日本の実力
2月24日付・読売社説
日本映画の実力が、また世界に示された。
米アカデミー賞外国語映画部門で滝田洋二郎監督の「おくりびと」が、また短編アニメ部門で加藤久仁生監督の「つみきのいえ」がそれぞれ受賞を果たした。
日本の映画作品では、2002年度に宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」が長編アニメ映画賞を受賞して以来のことだ。
日本映画の外国語映画賞受賞は名誉賞と呼ばれていた時代の1955年度の「宮本武蔵」(稲垣浩監督)以来だ。短編アニメ映画賞は初の受賞である。
今回のダブル受賞は、日本映画のさらなる活性化への弾みになるのではないか。
「おくりびと」は、死者を棺(ひつぎ)に入れて送り出す納棺師の男性が、仕事に戸惑いつつも生を見つめ直し、成長していく物語だ。
十数年前から納棺師や死の問題に深い関心を抱いていた俳優の本木雅弘さんが映画化を提案して、主役も演じた。
人間の「生と死」という普遍的なテーマに挑んだ作品が、国際舞台でも高く評価されたということだろう。昨年のカンヌ映画祭で最高賞パルムドールを受賞したフランス映画「クラス」などの有力作品を制して栄冠に輝いた。
放送作家小山薫堂さんによる脚本も、今年度の読売文学賞で戯曲・シナリオ賞を受賞するほど秀逸な内容のものだった。
「つみきのいえ」は、海面が上昇して水没する街で、積み木のように家を上に建て増ししていく老人を主人公にした12分の短編だ。繊細な手描きのタッチで老人の追憶の世界を叙情豊かに描いた。
日本映画のこのところの健闘はめざましい。昨年1年間の邦画の興行収入は前年比22%増の1158億5900万円で、過去最高を記録した。宮崎駿監督の「崖の上のポニョ」の大ヒットなどが後押ししたと見られる。
一方で、今回のアカデミー賞を受賞した「つみきのいえ」のような短編アニメは、水準の高い芸術作品であっても上映機会はほとんどなく、採算が取れない。
文化庁のメディア芸術祭などが発表の場となっているが、こうした上映の機会を広げていくことが望まれる。
東京芸大大学院映像研究科には昨年、アニメーション専攻が設けられた。02年度アカデミー賞短編アニメ部門に作品をノミネートされた山村浩二さんらが教鞭(きょうべん)をとるが、こうした分野の人材育成もさらに進めていきたい。
02月26日(木)
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