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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 麻生演説 民主への挑戦状
 ひたすら民主党に審議を呼びかけた首相だが、与党内では10月3日に代表質問が終了した後、いきなり衆院を解散する案が取りざたされている。既に野党は衆参予算委員会を各2日開くよう提案している。補正予算案の審議もせず解散するのは「委員会を開けばもっとボロが出る」という情けないばかりの与党事情によるものだ。姑息(こそく)な手段はかえって有権者の信頼を失うだろう。
 演説に先立ち、首相は福田康夫前首相の政権投げ出しで生まれた政治空白や中山成彬前国土交通相の辞任について陳謝した。おわびするなら、なぜ、閣議決定する演説の本文に盛り込まなかったのか。これも中途半端な印象が残った。
 一方、演説冒頭で首相は「かしこくも、御名御璽(ぎょめいぎょじ)をいただき」と異例の表現をし、日本は明治以降、戦前戦後通じて「新総理の任命を、憲法上の手続きにのっとって続けてきた、統治の伝統」があると語った。
 現憲法では天皇は国会の指名に基づき、首相を任命する。首相の立場は戦前の明治憲法下とは明らかに違う。これについてどう考えているのか。もっと詳しく歴史的な認識を聞きたいところだ。
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【主張】所信表明演説 国の在り方で論戦深めよ
2008.9.30 03:45  産経新聞
 麻生太郎首相は初の所信表明演説で、内政・外交の論点を民主党に提示して回答を求めるスタイルをとった。民主党との違いを明確にし、政策課題の争点を浮き彫りにするねらいがある。
 国政の停滞を打開しようという意欲の表れであり、首相の新たな試みを評価したい。
 実りある論争につなげるには、民主党の小沢一郎代表に答えを示してもらう必要がある。一方で首相自身の演説にも欠落している部分があり、年金など社会保障財源を鮮明にすべきだ。
 論戦時間が足りないなら、代表質問に加え予算委員会や党首討論も行えばよい。衆院選前に、重要政策の基本的な考え方、この国をどうするかを国民の前で語ることは、両党首の責務である。
 首相は民主党が道路特定財源問題にからみ歳入関連法案をたなざらしにし、参院で採決引き延ばしをしたことを挙げて、「合意の形成をあらかじめ拒む議会はその名に値しない」と指摘した。
 野党が参院の多数を制して与野党対決が激化したことが、国政の停滞や混乱を招く契機となったのは、その通りである。
 外交問題では、インド洋での補給支援継続に関する民主党の対応を問い、加えて民主党が日米同盟と国連のどちらを優先させるのかを尋ねた。
 新テロ対策特措法に反対した小沢代表は、自衛隊の海外派遣の基準を、国連決議や安保理決議に置くよう主張した。国連の決定が日米同盟基軸の日本外交や国益と矛盾する可能性がある以上、首相の問題提起は当然である。
 自由と民主主義が「若い民主主義諸国に根づいていくよう助力を惜しまない」と、持論である価値観外交を盛り込んだ点にも「麻生カラー」がうかがえた。
 問題は、首相が消費税を含む税体系の抜本的税制改革にひと言も触れていないことだ。社会保障の安定的財源についても「その道筋を明確化すべく、検討を急ぐ」と述べるにとどめた。
 日本経済の立て直しを「緊急な上にも緊急の課題」と位置付ければ、財政再建の優先度は下がり、財政規律は緩んでいく。選挙向けのばらまき競争の論戦がスタートするのでは困る。
 必要な論点をすべてテーブルに乗せたうえで、自民、民主両党が政権を競い合う。かみ合った論戦が聞きたい。

10月01日(水)
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