ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 組織ぐるみの年金改ざん疑惑
 社保庁は、現役加入者に09年4月から標準報酬月額を含む「ねんきん定期便」を通知するのに加え、全厚生年金受給者への通知も急きょ決めた。全記録から極端に引き下げられているケースなども抽出して調査する。
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 ■ことば
 ◇標準報酬月額
 厚生年金保険料の算定基準になるもので、現在は9万8000〜62万円の30等級に分かれている。毎年4〜6月の平均給与額とおおむね同じ額の等級に当てはめる。本人の標準報酬月額に15.35%をかけたものが納付すべき保険料となる。保険料は、本人と会社が折半する。
 ◇年金加入記録の改ざん
 滞納保険料を少なくするため、保険料の基準になる標準報酬月額をさかのぼって下げたり、会社がさかのぼって脱退したように装って加入期間を短くしたりする処理などがある。徴収率を上げたい社会保険事務所職員と、保険料を減らしたい事業主の双方にメリットがあるとされるが、加入者の受け取る年金額が実際より減ってしまう。
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社保庁ぐるみ疑惑も 政府、被害回復に責任
2008年9月10日 読売新聞
 
政府は9日、厚生年金の記録改ざんに社会保険事務所職員が関与していたという調査結果を公表、改ざんによる被害を防止するための新たな対策をまとめた。
(社会保障部・小山孝 社会部・中村亜貴)
 【要約】
 ◇表面化した改ざんは「氷山の一角」との指摘もある。
 ◇被害は相当数に上る可能性もあり、政府はその回復に全力を挙げるべきだ。
 「保険料を滞納する事業主に対し、標準報酬の引き下げや社会保険からの脱退を促すような話をしたことがあった」
 東京の麹町社会保険事務所で1994年から2年間、保険料徴収を担当していた当時の係長(現在は都内の社会保険事務所の課長)は、調査にこう回答した。
 社保庁が実施した今回の調査は、総務省の年金記録確認第三者委員会が2月末までに「改ざん」と認定した事例など17件が対象。このうち、麹町事務所の事例1件だけについて、社保庁は職員の関与を認めた。
 記録の改ざんは、月収の記録(標準報酬月額)を引き下げたり、会社が営業を続けているのに違法に制度から脱退させたりという手口で行われ、加入者の年金額が年数万円程度減るなどの例が多いとみられる。その一方、事業主の保険料負担が軽くなるほか、社保事務所にとっても保険料の滞納額を少なくし、事務所の徴収成績を高く見せかけることができるという“利点”がある。
 だが、10年以上前の古い時期の改ざんが多く、当時の書類などはほとんど残っていない。麹町事務所以外の事例では当時の担当者が「覚えていない」などと答えたため調査が行き詰まり、真相は不明のままだ。
 改ざんが全国でどのぐらい起きているのかは、わからない。ただ、千葉県内の社会保険事務所職員は「あちこちの事務所で同じようなことをやっていた。今回の調査結果で、職員の関与を認定した1件は、ほんの“氷山の一角”に過ぎない」と話す。
 この言葉を裏付けるように、年金記録確認第三者委員会が認定した改ざん件数は、過去半年で3倍以上の56件に急増している。改ざんに気づかず本来より少ない年金額を受給している人は、これよりはるかに多い可能性が高い。
 さらに、2年前まで滋賀社会保険事務局に勤めていた尾崎孝雄さん(55)は、「社会保険事務所長が率先して、事務所の成績を上げるため徴収担当者に指示していた」と証言しており、社保庁が組織ぐるみで改ざんに関与していた疑惑も浮上している。
 政府は新たな対策で、厚生年金の全受給者に対して、標準報酬月額の記録を通知することを打ち出した。受給者本人が内容を確認し、同じ会社で働き続けていたのに不自然に報酬が下がっている時期などが見つかれば、改ざんされた可能性が高いことになる。これまで受給者に送られた「ねんきん特別便」には標準報酬月額が載っていなかったが、今回の新たな通知で、受給者が自分で改ざんを発見できる可能性が高まる。

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09月11日(木)
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