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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 大分教員汚職 21人 採用取り消しへ
前例のない事態である。大分県の教員採用汚職事件で、同県教育委員会は、今年度採用した小中学校教員らのうち21人が不正採用だったとして、採用の取り消しを決めた。
学校現場が混乱しないよう、最大限の努力を尽くしてほしい。
不正採用者は、収賄罪で起訴された県教委の元義務教育課参事・江藤勝由被告らが、得点を水増しして合格させていたものだ。
県教委では、パソコンから復元したデータや江藤被告らの話から不正採用者を特定した。しかし、同様に疑惑が持たれた昨年度の採用者については、裏付け不十分として、取り消しを見送った。
それ以前については特定が困難な見通しで、今回、採用を取り消されたのは氷山の一角だ。
21人の中には、自身が不正に合格したと知らなかった教員も含まれている可能性がある。採用を取り消された後、希望すれば臨時講師として雇用される。
既に教壇に立つ21人が、年度途中に一斉に教室から姿を消せば、多くの児童生徒は新学期から担任の先生が突然いなくなる。
「不正採用」と認定されながら何人が再雇用を望むかどうかは不明だが、こうした事態を考慮した措置だろう。
県教委は、スクールカウンセラーの派遣、児童生徒や保護者への丁寧な説明はもちろん、できる限りの対策を取らねばならない。
一方、本来は合格していたのに、減点されて不合格になった今年度試験の受験者は、本人が希望すれば採用される。
重要なのは、大量の一斉採用取り消しという異常事態を踏まえ、教育界が再発防止と信頼回復をどう図っていくかだ。
県教委は事件を機に、教員採用試験を県人事委員会と共同で実施するなどの改善策を取っている。今後、2次試験の判定基準を一層明確化する。
さらに、校長、教頭の昇任試験では市町村教委などの推薦を廃止する方向で検討するという。
今回の事件は、教育委員が単なる“名誉職”であってはならないことも示した。
6人全員が、不正に気づかなかった監督責任を認め、今後の報酬を自主返納する方針だが、当然だろう。お目付け役としての役割をしっかり果たしてもらいたい。
間もなく江藤被告らの公判が大分地裁で始まる。裁判で明らかになった事実も含め、事件を教育界全体の教訓とし、腐敗の根を断ち切る決意が欠かせまい。
08月30日(土)
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