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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 巨大な利益を上げる穀物メジャー
今でも我々日本人が食べる小麦は9割が輸入品であり、そのうち5割以上はアメリカからの輸入に頼っている。これらの多国籍アグリビジネスが、日本の食品貿易をどのくらい支配しているか示すデータは存在しないけれども、いかに巨額の利益をあげてきたかは想像に難くない。

戦後間もない頃の日本の栄養学が、何もかも間違っていたのかどうかはわからない。けれども、不足しがちな栄養素があったとしても、何もいきなりパン食に切り替える必要はなかったし、いまだに輸入に頼りながらそれを続けなければならない理由もないはずだ。
今ではむしろアメリカで、和食が健康にいいと宣伝されているんだから。

ヒトは生きている限り、必ずものを食べる。生き物なのだから当然のことなんだが、それを“ビジネス・チャンス”とか“マーケット”などと考える人たちもいる。5)
彼らのせいで我々の「食べる」という当たり前の行為が、ひどく不自然になっているらしい。過食症だってもしかしたら、そんなところに原因があったりするかもしれないのだ。


1) 『日本侵攻 アメリカ小麦戦略』 高嶋光雪著、家の光協会
2) 従来の日本の料理では、獣肉と油脂の使用は極めて少なく、乳製品の使用は皆無だった。
3) それでもパンの生産量はその後、少しずつ伸び続け、ようやくここ数年になってわずかに減り始めている。
4) 世界の穀物の輸出入はカーギルとアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)の2社による寡占状態にある。カーギル社は1956年に日本に進出している。
5) ちなみに、日本の全産業のなかで、最も多くの広告費を使っているのは食品産業だ。日本は世界でもアメリカに次いで2番目に食品の宣伝・広告費の多い国であり、アメリカと日本だけで世界の食品の宣伝・広告費の半分以上を使っている。

参考:
『アグリビジネス論』 中野一新編 有斐閣
『食と商社』 島田克美他著 日本経済評論社
『穀物メジャー ─食糧戦略の「陰の支配者」』 石川博友著、岩波新書、他

05月04日(日)
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