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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 地方財政の危機(地方自治体が設置する病院の行方)
 炭坑で働いていた小坂寛司さん(70)は、じん肺を患う。「近所は気心のしれた炭坑仲間ばかり。今さら都会に住む気はない。でもこの街で安心して暮らしていくため、病院だけは維持してもらわないと困る」と言う。市は病院存続のため、一般病床160床を120床に減らし、産婦人科と皮膚科を休止。職員の人件費を27%ほど削減する。
 総務省も、赤平総合病院のような不良債務を償還期間7年程度の特例債に振り替えることを認め、その分を連結実質赤字比率から外す措置を決定。破綻基準30%も、当面40%に緩める。北海道も短期低利融資で病院経営を支援。しかし、それでも赤平市の08年度の比率は、基準ぎりぎりの39・2%の見通し。綱渡りの状態が続く。
 赤平の炭鉱資料を収集保存している吉田勲さん(66)は訴える。「自治体に連結決算を押しつける前に、政府こそ、特別会計を連結にしてもっと透明にしろと言いたい。道路財源の使い方を見ると腹が立つ。廃れた地方の声に、政治家は耳を傾けてほしい」
 赤平市は、財政破綻回避のため、軽自動車税や市営住宅家賃の引き上げなど市民の負担増を求めてきた。そしてさらなる歳出削減のため、職員給与の30%削減を打ち出した。
 先月29日、高尾弘明市長(63)は市職員を前に呼びかけた。「乾いた雑巾(ぞうきん)をさらに絞ってもらいたい」【与那嶺松一郎】
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 次の衆院選に向けた選択の手引。今回は、地方財政の危機を取り上げる。地方の悲鳴、新たな取り組みから見ていこう。

04月09日(水)
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