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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 日銀総裁空席:政治の深刻な機能不全
争点となった財政と金融の分離は、中央銀行が政治に巻き込まれ、国益を大きく損ねてしまったという手痛い過去の経験からきている。その結果、政治の圧力が日銀に及ばないようにするため、財金分離の原則が重視されるようになった。
しかし、日銀の運営にとって重要なトップ人事が今回、政争の具となり、泥だらけにされてしまった。日本の中央銀行の権威は、例のないほど手ひどく損なわれてしまった。
同時に、中央銀行の独立性について、政治がまったくわかっていないことも明白になった。
与野党とも互いに責任をなすり付けているが、日本の政治システムに向けられた不信について、もっと深刻に受け止めるべきだ。
福井俊彦総裁は任期満了となった。金融市場の混乱という要因もあるが、金利機能の正常化には、もっと早くから取り組むべきだったのかもしれない。白川氏には、その点も総括して、総裁代行の職責を果たしてもらいたい。
与野党の攻防は、今月末に暫定税率が期限を迎える道路特定財源の取り扱いに移るが、4月には先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が開かれる。
世界経済の見通しは厳しくなっており、次回のG7は特に重要だ。その席に出る日銀総裁が「代行」でいいはずがない。
空席という事態を早急に解消すべきだ。
毎日新聞 2008年3月20日 0時04分
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社説1 総裁空席が示す政治の深刻な機能不全
2008年3月20日経済新聞
日銀総裁も決められない政治の機能不全は深刻な事態である。国際金融情勢が緊迫する中、総裁は異例の空席となり、副総裁の白川方明氏が当面、総裁職を代行する。今月末で期限が切れるガソリン税の暫定税率についても成立のメドが立たず、4月以降、ガソリン価格や予算執行面で大混乱が予想される。福田康夫首相は窮地に立たされている。
参院は先に政府が提示した武藤敏郎副総裁の総裁昇格案を否決したのに続き、19日の本会議で田波耕治国際協力銀行総裁を日銀総裁とする人事案を否決した。人事案が2度も否決され、福田政権は大きなダメージを受けた。日本の国際的な信認の低下も懸念される。
武藤氏と同じ財務省次官経験者を再び提示した福田首相の判断力や政治センスに与党内からも疑問の声が出ている。ねじれ国会の現実が厳しいのは確かだが、福田首相に強い指導力や果敢な決断力が感じられないのは残念である。
参院の主導権を握る民主党は「財政と金融の分離」「財務省と日銀のたすき掛け人事に反対」などの理由で人事案を否決した。民主党の反対理由にも一理あるが、今は国際的な金融有事である。日銀総裁空席の事態をつくってまで反対するのは行き過ぎである。民主党の対応は無責任であり、福田政権を窮地に追い込むためだけに日銀人事を混乱させているとみられても仕方あるまい。
福田政権には日銀人事に続いて、道路財源問題が大きな試練としてのしかかっている。ガソリン税の暫定税率を含む租税特別措置法案は参院でいまだに審議が行われず、月内の成立は時間的にも厳しくなってきた。暫定税率が3月末で期限切れとなり、新年度入りする4月以降、ガソリン価格引き下げをめぐる混乱や、国と地方の財政に穴が開くなどの支障が現実味を増しつつある。
事態打開には道路特定財源の修正協議で与野党が月内に合意することが不可欠である。道路財源の無駄遣いに対する世論の怒りは頂点に達しつつある。自民党は今こそ道路族議員の抵抗を排し全額一般財源化に踏み出すべきであり、首相は不退転の決意で党内をまとめる必要がある。
民主党は暫定税率廃止を掲げて期限切れに追い込む構えだが、自民党が真剣な修正案を提示してくれば、話し合いに応じて修正に動くべきである。年度内に結論を出すという衆参両院議長のあっせんをほごにしてはならない。安易な強硬路線や政局優先主義は参院第一党としての責任放棄である。
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【主張】日銀総裁空席 日本がつぶれてしまう 政治混乱の拡大食い止めよ
2008.3.20 産経新聞
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03月21日(金)
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