ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■国民投票法という法律が施行される
石破茂政調会長は12日の記者会見で「18日を期して改正案を提出すべきではないか」と述べた。石破氏が想定したのは(1)改正手続きを定めた96条の発議要件を「過半数の賛成」に緩和(2)財政の健全性確保に配慮する条項を83条に追加−−する部分改正。国民投票法は憲法改正原案の国会提出に「衆院で100人以上、参院で50人以上」の賛成が必要と規定しており、自民党は単独で提出可能だ。
同法はテーマごとに改正する「個別発議」の規定を設け、憲法全体の「一括改正」は難しい仕組みになっている。石破氏はこれに基づき党内の合意を得やすい「無難なテーマ」に絞って改正原案を提案したい考えだった。自民党の改憲姿勢をアピールするとともに、改憲、護憲両派を抱える民主党を揺さぶる狙いもあった。
しかし、可決の見込みもないまま部分改正を提起する石破氏の提案を全面改正派は「拙速」と受け止めた。党憲法改正推進本部の保利耕輔本部長は「一部だけ取り出せば批判が必ず出る」と反対。谷垣総裁も「憲法全体の案を出すのが一番正しい対応だ。できるところからやる場合には与野党共通してすぐ取り組む必要があるが、そこまで議論は熟していない」と判断し、石破氏は断念に追い込まれた。【野原大輔、岡崎大輔】
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改憲論議、与党及び腰=「18歳成人」など課題山積−投票法施行
2010年5月17日時事通信
国民投票法の施行により、1947年の現行憲法施行以来63年で、国会が国民に憲法改正を提案することが可能になる。しかし、党内に改憲、護憲両派を抱える民主党は憲法論議に及び腰だ。連立を組む社民党は、改憲論議の舞台となる憲法審査会の規程づくり自体に反対しており、議論の深化は当面望めそうにない。
「憲法審査会の規程がないのは正常な状態ではない」。江田五月参院議長は13日、民主、自民、公明各党の参院国対委員長を呼び、審査会の委員数や運営ルールなどを定める規程を早期に制定するよう要請した。
審査会は2007年5月に成立した国民投票法に基づき、衆参両院に設置された。しかし、同法採決時の激しい与野党対立が尾を引き、衆院で規程が制定されたのは2年後の昨年6月。参院は未整備で、審査会は両院ともに一度も開催されていない。自民党からは「立法府の不作為」との批判が出ている。
江田議長の呼び掛けは、改憲に前向きな西岡武夫参院議院運営委員長の要請を受けたものだが、旧社会党出身の輿石東参院議員会長ら護憲派が実権を握る民主党参院執行部は、今国会での規程制定を見送る方針だ。
これに対し、改憲を党是とする自民党では石破茂政調会長が、投票法施行に合わせて憲法改正の発議要件緩和を柱とする改正原案を提出する方針を表明した。ところが、党憲法改正推進本部の会合で、9条改正が除外されたことや、改正が2項目に限定されたことに異論が続出。保利耕輔本部長も、全項目を網羅した案を出すべきだとの考えを示し、18日の提出は先送りされた。
一方、国民投票法は付則で、民法の成人年齢や公選法の選挙権年齢も18歳以上に引き下げるよう求めている。法相の諮問機関である法制審議会は昨年10月、「18歳に引き下げるのが適当」とする答申をまとめたが、300以上に及ぶとされる関係法令の改正は手つかずのままだ。
国民投票法の審議にかかわった国会のベテラン職員は「今は憲法論議の優先順位は低い。政界の状況が落ち着いたときに、またゼロからのスタートじゃないか」と話している。(2010/05/17-20:26)
05月19日(水)
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