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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■枝野氏起用で「刷新」の新風が生まれるか
この春には、独立行政法人や公益法人、特別会計を見直す事業仕分けの第2弾が控えている。仕分けでマニフェスト実現の財源を工面するのは至難の業だ。昨秋に続く二匹目のドジョウがいるとは限らない。
政策に明るく、経験も積んだ枝野氏のここでの起用は、順当といえる。
ただ、今回の人事の意味合いがそう単純でないのは言うまでもない。
枝野氏は党内で、小沢一郎幹事長と距離を置く有力政治家の一人だ。そのせいで、鳩山政権発足後、無役を余儀なくされたともささやかれてきた。小沢氏がかかわる土地取引事件については「身を引くことも含めて、けじめをつけることが必要」と主張している。
政治とカネの問題で政権への信頼は揺らぎ、内閣支持率は続落している。選挙、国会から政策にまで至る「小沢支配」「小沢依存」の見方が定着し、鳩山首相への逆風が強まる。
事件がひと区切りしたタイミングを見計らい、「非小沢」の枝野氏を起用することで、自分は小沢氏の言いなりではないと示したい。そんなねらいも、首相にあったのではないか。
肝心なのは、それが首相の「小沢離れ」を直ちに意味するわけではないということだ。
世論の多くは今、「小沢氏は幹事長を辞任すべし」としている。しかし、首相は小沢氏の続投を容認している。枝野氏の起用も、小沢氏の了解を得たうえでのことだ。
小沢氏が受け入れられる範囲内で、なんとか政権の再浮揚を探っているだけでは、と見られてもしかたない。
いま首相がなすべきなのは、小沢氏に国会の場で大方の納得のいく説明をするよう強く促すことである。不起訴は嫌疑が不十分だったからに過ぎず、潔白の証明ではない。説明責任を逃れる免罪符にはならない。
それができないのであれば、首相はいずれ幹事長更迭の決断に追い込まれることも覚悟しなければなるまい。
政権が負った傷は深い。ばんそうこうを張るだけで止血するのは難しいかもしれないが、そんなばんそうこうの役回りでは枝野氏も不本意だろう。
「刷新」するべきなのは、よどみつつある政権と民主党内の空気である。その一役を枝野氏に期待したい。もとより、その最終的な責めを負うのは首相以外にない。
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3、社説:枝野行政刷新相 改革の停滞感打開を
2010年2月11日 毎日
政権浮揚の足がかりとなるだろうか。鳩山由紀夫首相は民主党中堅、45歳の枝野幸男元政調会長を行政刷新担当相に起用した。
首相と小沢一郎幹事長の資金管理団体を舞台とする事件が政権を直撃する中で鳩山内閣の支持率は落ち、肝心の政策調整に影響しかねない状態だ。党内で小沢氏と距離を置く勢力の代表格とも言える枝野氏の起用が、小沢氏に依存せず指導力を発揮しようとする首相の意欲の表れならば評価できる。枝野氏もおくせず、懸案の公益・独立行政法人改革に切りこむべきである。
今回の人事は、与野党からは一定の意外感をもって受け止められたはずだ。
民主党結党時から若手ホープとして「日のあたる道」を歩んできた枝野氏は、肝心の政権交代後は無役のままだった。行政刷新担当相の前任だった仙谷由人氏の引きで昨年、「事業仕分け」の仕切り役を務め脚光を浴びたが、その後内定したはずの首相補佐官への起用も、なかなか実現しなかった。枝野氏は党を仕切る小沢氏と一貫して距離を置いている。このため、首相の小沢氏への配慮がこうした処遇にも影響しているとみられていた。
それだけに、入閣は思い切った人事だ。政権のいわゆる「二重権力」問題は、首相らが過剰に小沢氏の意図を意識し、なかなか決断に踏み切れないことにむしろ問題がある。「反小沢」勢力の象徴である枝野氏が入閣し政務に忙殺されるのだから、小沢氏側にとってもあながち不利な展開ではあるまい。窮余の一策とはいえ、首相が政権運営に危機感を抱き、可能な限りの人材活用を図るのは、むしろ当然と言えよう。
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02月14日(日)
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