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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■郵貯限度額、3000万円の真の狙いは
「利用者が不便を感じている」「全国一律の金融サービスを展開する財源が必要だ」というのが、緩和を求める与党や日本郵政の説明だ。郵政の収益力強化という観点では一理あるように聞こえ、多額の金融資産を持つ人の便利さも増すだろう。
だが、ここで郵貯の制限を緩和すれば数多くの問題が生じる。まず「政府の信用」を背負った公的金融が資金を吸い上げる懸念である。
預金保険で保護される預金の範囲は残高1千万円までの元本とその利子に限られる。政府が経営支配を続けたまま、ゆうちょ銀の預入限度を広げれば、預金者は1千万円を超す部分にも「暗黙の政府保証」があるとの期待を抱きがちになる。
平時でも民間銀から「より安心」な郵貯に資金が向かう可能性があり、金融システムに不安が生じれば、大口資金が一気に移動しかねない。
本来、ゆうちょ銀とかんぽ生命は完全に民営化し、民間と対等に競争し合うべきだ。経済活動を活発にするには、効率の低い官業から民間へと資金の流れを変え、より自由にお金が使われるようにした方がいい。民間に流しきれないなら郵貯の規模を縮小するしかない。
だが、鳩山政権はむしろ官業の拡大で民業を圧迫しつつあるようだ。
郵貯残高はピーク時より減ったが、なお180兆円弱とメガバンクを上回る。政府は巨額発行が続く国債の引き受けを求めていくだろう。金利上昇時には、郵政は定額貯金の途中解約の増加と国債の含み損という二重の困難に直面しかねない。
民主党は05年の衆院選で郵貯の預入限度額を下げ、残高の規模を半減させると公約していた。郵貯の肥大化を容認するのなら、百八十度の路線転換ではないか。
3、郵貯限度額「縮小するべき」 全銀協会長
2010年1月26日 日経
全国銀行協会の永易克典会長(三菱東京UFJ銀行頭取)は26日の記者会見で、政府内で郵便貯金の預入限度額の引き上げ案が検討されていることについて「(今までの業務内容の)拡大は完全民営化に向けたもの」と指摘した。完全民営化を見直すのであれば「縮小する方向でやっていくべきだ」と述べ、ゆうちょ銀行の業容拡大に反対する姿勢を強調した。
永易会長は「郵政やゆうちょの資本に国のお金が残り、官業という状態なら、競争条件が民間と全然違う」と指摘。亀井静香郵政・金融担当相との会談については「調整中だが、日程が折り合っていないので決まっていない」と語った。
オバマ米政権が商業銀行によるヘッジファンドの所有・投資などを禁じるという新規制案を打ち出したことには「日本のメガバンクはこの(ファンド投資などの)部分が小さいので、それほど大きい影響はないだろう」との見方を示した。 (26日 21:28)
4、社説2:日米欧の財政に株安が警鐘
2010年2月7日 日経
株式市場が日米欧の財政状態に警鐘を鳴らしている。先週末の米株式市場はダウ工業株30種平均が反発したものの、一時は9800ドル台まで急落する場面もあった。
株安の背景には、金融危機の対策で各国政府の財政が悪化し、市場が「政府の信用リスク」を警戒しはじめたことがある。各国が景気をにらみつつ、財政再建を進めることが、株式市場の安定にも欠かせない。
株安が連鎖したきっかけは、不調に終わった3日のポルトガル国債の入札だ。市場の不信感は、ポルトガル以上に財政が不安視されていたギリシャに飛び火した。投資家がリスク回避の動きを強め、欧州全域で株式の売却を急いだ。
日米も、株安の連鎖に巻き込まれやすい構造的な弱さを抱える。
今月初めにオバマ米大統領は2011年度の予算教書を発表し、財政赤字は3年続けて1兆ドルを超える見通しとなった。米格付け会社は、財政再建を進めなければ、米国債が中期的に最上格のトリプルAを失う可能性を指摘している。
「プレッシャーにさらされる国家信用」。国際通貨基金(IMF)は1月の国際金融安定性報告書で、こんな項目を設け、財政の持続可能性が懸念される国の1つとして、日本を名指しにしている。
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02月11日(木)
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