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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■プリウス問題:日本製品の信頼を左右
1、社説:プリウス問題 安心と信頼の回復を
2010年2月7日 毎日
アクセルペダルの大規模リコール(回収・無償修理)を欧米で始めたトヨタ自動車に、新たな問題が浮上した。ハイブリッド車の新型「プリウス」でブレーキ操作への苦情が国内外で相次ぎ、品質に対する疑いの広がりと深さは「危機的な状況」(豊田章男社長)になっている。
トヨタによると、ブレーキの瞬間的な作動・解除を電子制御しているシステムが「運転手にブレーキが利かなくなったと違和感を持たせる」ような設定だったという。あくまでも感覚の問題で、設定を変えれば違和感も消え、「構造的、設計上の欠陥はない」と主張している。
メーカーにすれば、「欠陥」と呼ぶほどの重大性はないのかもしれない。しかし、安全のカギを握るブレーキに違和感のある車は不安で仕方ない。凍結路面などで起きやすいのなら、なおさらである。だからこそ、トヨタも昨秋に苦情を受け、先月以降は製造段階での設定変更に乗り出したのだろう。
こうした措置を「品質改善活動の一環」として公表しなかったのも釈然としない。
新型プリウスは、イメージの面でも販売面でもトヨタの顔だ。欧米では先進的な車として、環境意識の高い層らに人気が高い。国内新車販売では、先月まで8カ月連続で首位を走り、現在も納車まで5カ月待ちという。世界的な人気と注目度が高い車だけに、問題を大きくせずに済ませたい思いがなかっただろうか。リコールを含めた透明性の高い対応策を早急に実施してほしい。
米国の報道などには、感情的な反応がにじむとの指摘もある。失業率が高止まりする米国は内向きになり、秋の中間選挙を控えて自国の雇用とメーカーの保護に傾くのは自然な成り行きだろう。ましてトヨタは昨年のゼネラル・モーターズ(GM)破綻(はたん)で、世界一の自動車メーカーになった。自動車産業の国で、その業界の頂点に立つ企業の言動は厳しい目にさらされる。
トヨタの品質担当役員は「お客様の期待値に対して判断が甘かった」と語った。トヨタが生み出す製品と、トヨタというグローバル企業の言動への期待や影響力は、当事者が考えている以上に大きいと言える。
プリウスは革新的な技術の結晶だが、先進技術も安心して使ってもらってこそ意味を持つ。メード・イン・ジャパンが「安かろう悪かろう」の代名詞だった時代、日本の技術者と企業は小さな実績を積み重ね、評判を覆していった。そして、日本製品の生命線である高品質と安心感のブランドが築かれた。トヨタは信頼回復の取り組みを通じて、そのことを再確認してほしい。
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1月新車販売:プリウスが首位 8カ月連続
毎日新聞 2010年2月7日 2時35分
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社説:プリウス問題―遅すぎる全車修理の判断
2010年2月6日 朝日
トヨタ自動車の安全と品質に対する信頼が、ますます揺らぐ事態となった。欧米市場向け主力車種のアクセルペダル改修に続き、こんどは次世代エコカーの看板車種「新型プリウス」のブレーキが原因だ。
昨年5月から売り出したハイブリッド車で、国内では車種別販売のトップを走る。世界市場向け輸出も好調だっただけに、まさにトヨタのシンボルの手痛い失速である。
問題はブレーキのシステムだ。「低速で走行中にペダルを踏んでもブレーキが利かない」というユーザーの苦情が日米の運輸当局や販売店に寄せられている事実が判明した。中にはけが人が出た事故も起きている。
実はトヨタは昨秋に問題をつかんでいた。滑りやすい路面でのスリップを防ぐアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)に原因があると特定。システムを制御するコンピューターソフトを内々に手直しし、今年1月の生産分から改修していた。
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