ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
[257854hit]

■時のうねりは政権交替か
 来週早々に衆院を解散し、国民に信を問いたい。投票日は8月30日としたい。麻生首相が与党執行部にこんな総選挙日程を示し、了承された。
 たび重なる先送りの果てに、首相がようやく決断した日程は9月10日の衆院議員の任期切れの間際となった。事実上の任期満了選挙である。
 思えば昨年9月、福田前首相のあとを引き継いだ麻生氏は「私は逃げない」と、就任直後の解散を思い描いていた。それがここまでずれ込むとは、夢にも思わなかっただろう。
 最大の誤算が世界同時不況の到来だったことは間違いない。だが、その対応に追われる一方で、この10カ月、首相自身の政策判断の迷走や失言、閣僚らの不祥事が相次いだ。
 もう少し待てば、選挙で勝てる見通しが開けるかもしれない。そんな期待と、政権から自民党が滑り落ちることへの恐怖。この二つに翻弄(ほんろう)された10カ月でもあった。結局、就任直後の内閣支持率が最も高かったというのは皮肉と言うよりない。
 今回の決断にしても、首相にとってのベストにはほど遠い。党役員人事の頓挫、静岡県知事選の敗北、東京都議選の歴史的大敗と失点が続いた。
 視野に置いていた8月初旬の選挙には与党内の理解が得られず、かといって時機を待てば「麻生おろし」の強風に倒されかねない。そんな不安にかられての窮余の策だったのではないか。
 首相の指導力がこんなにも弱々しいものになってしまった理由は、はっきりしている。
 参院選で野党に多数を奪われて以来のこの2年間で、安倍、福田と2代続けて首相が政権を放り出した。その後の麻生氏が何よりも優先すべきは、総選挙で民意を問うことだった。
 そこから目をそむけたままでは、いずれ政権運営が立ち行かなくなるのは当然のことだった。
 与党執行部の了承を得たものの、この日程で自民党内の「麻生おろし」が鎮まるかどうかは定かでない。だが、総裁選を前倒しし、「選挙の顔」を取りかえたところで、有権者の評価ががらりと変わるはずもない。2年で4人目の首相というのは無節操に過ぎる。
 ここは冷静に、腹をくくって政策で勝負するしかないのだ。
 民主党も浮かれてはいられない。
 これまで一度も政権を担当したことがないのだから、政権交代が現実味を帯びれば帯びるほど不安を覚える有権者は増えてくる。政策ばかりでなく、それを実行するための具体的な政権運営の仕組み、姿を説得力ある形で示さねばならない。
 有権者にとっては、待ちに待った政権選択の機会がやっと見えてきた。これからの各党の一挙一動に目を凝らし、しっかりと吟味していきたい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

4、社説:8・30総選挙 やっと選択の日が来る
               2009年7月14日  毎日
 政権交代か、政権維持かを問う次期衆院選の日程が「8月18日公示、同30日投開票」とようやく決まった。今月21日にも衆院は解散される。遅きに失したとはいえ、政治決戦=政権選択の日程が決定したのは歓迎したい。だが、これを麻生太郎首相が国民に信を問うため自ら決断した日程とは到底いえない。ともかく総選挙を先送りしたい与党側に押し切られたというのが実情だろう。
 麻生首相は12日の東京都議選直後に衆院を解散し、8月上旬の投開票を狙っていたはずだ。衆院議員の任期満了が9月10日に迫り、首相が主導権を持って解散した形とするには、それが最後のチャンスだったからだ。しかし、都議選は自民党が大敗。公明党も含め、「今、総選挙をすれば敗北は必至」と先送り論が拡大し、首相はそれに配慮せざるを得なくなったと思われる。
 自民党人事が不発に終わり、人事権を行使できなかったのに続き解散権も思い通りにならない麻生首相の苦しさを物語っている。また、決戦をできるだけ先送りしようとする与党の姿勢は自分の身を守ることだけを優先しているとみるほかない。

[5]続きを読む

07月15日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る