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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■「おくりびと」アカデミー賞外国語映画賞を受賞
 米国の映画界はこれまで、日本の実写映画について、時代劇は評価しても、ホラー以外の現代劇はさほど興味を持っていなかった。
 「葬儀での様式美を極限まで高めた『おくりびと』は時代劇にも通じるものがある。西洋からみるとよほど魅力的だったに違いない」
 今後、オスカーを狙う日本映画の選考基準が変化するとも。「今回は『つみきのいえ』の受賞で日本のアニメーション映画の水準の高さも改めて見せつけた。日本映画が再び世界で注目されるだろう」と期待を寄せていた。
ZAKZAK 2009/2/23

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2、社説:アカデミー賞 日本の文化発信力を証明した
毎日新聞 2009年2月24日
 世界が注目するアメリカ映画界の第81回アカデミー賞で、日本作品が二つの部門で受賞した。外国語映画賞の「おくりびと」と短編アニメーション賞の「つみきのいえ」だ。先行き不安が募る今、明るいニュースには違いない。だが、それだけにとどめず、私たちが目指すべきもう一つの底力「文化発信大国」の希望と自信につなげたい。
 「おくりびと」の主人公は失業で偶然、未知の納棺師の仕事に転じ、さまざまな死と向き合い、変わっていく。「つみきのいえ」は水面上昇に没していく街に積み木のように上へ建て増しして暮らす老人と失った家族への思いの物語だ。
 死生観や地球温暖化問題もにじませ、内面的な深いテーマを追う作品が言語文化や国を超えて心をとらえた。言葉や風習、価値観は異なっても、優れた映画には普遍的な発信力、コミュニケーション力がある。
 「おくりびと」は先に今年度の第63回毎日映画コンクールで日本映画大賞に選ばれ、「納棺師という職業に着目したアイデアが的確に生かされたうえに、監督、脚本、演技、撮影、音楽ほか、すべての部門で優れた成果をあげて、人生について深く考えさせる作品になった」と講評された。
 着目、計画、製作、仕上げまでさまざまな分野の才が織りなす総合芸術としての映画。その醍醐味(だいごみ)が端的に言い表されている。
 敗戦後間もなく、黒澤明監督の「羅生門」がベネチア国際映画祭でグランプリを取ったことは、湯川秀樹博士のノーベル物理学賞とともに日本人を励ました。今は時代状況は大きく異なるが、経済的豊かさとは別に、世界に認められ敬意を払われる文化的な力や豊かさは人々を元気づけ、創造的活動の動機付けになることに違いはない。
 新しい流れもある。
 かつて日本の文化は欧米に異国趣味でしか受け入れられないと考える人が少なくなかった。映画や文学はそんな古い意識の壁を努力して越えてきたが、近年あっさり越えているのは「クールジャパン」とも呼ばれる漫画、アニメ、音楽、ゲームソフト、ファッション、風俗など旧来の形にとらわれないアートだろう。
 映画も昨年、邦画が洋画を興行成績で上回り、元気だ。今回受賞の背景には日本映画復調の流れもある。
 今、危機的な経済行き詰まり状況の中で、従来の産業モデルの転換が説かれ、人生設計や生き方を見直す論議も高まっている。
 受賞2作はその意味でも時宜にかなっていたといえるが、こうした映画の元気さや若々しい文化を新たな国の力としてとらえ発展させることはできないだろうか。政府が一番その辺の感度が鈍いのではないか。
 今回の賞が発想を転換させるきっかけとなるよう期待したい。

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3、アカデミー賞外国語映画賞を受賞した滝田洋二郎さん(53)=24日付「顔」
2009年2月24日07時10分 読売新聞
 「納棺師という題材だったので、映画の終わり方が最初は見えてこなかった。でも、今日、最高の終わり方ができました」
 昨年9月のモントリオール世界映画祭グランプリ受賞に始まり、日本国内の映画賞を総なめにした監督も、渡米後、授賞式に臨む前は「スピーチは考えていない。真っ白」。強敵ぞろいだった外国語映画賞レースに競り勝った理由を、「日本映画のスタッフ、キャストの素晴らしさ」と、謙虚に締めくくった。

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02月26日(木)
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