ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 麻生演説 民主への挑戦状
麻生首相は、就任後初の演説で、民主党に対し、自分の「質問」への「答え」を用意して代表質問するよう求めた。衆院解散・総選挙をにらみ、予想される争点について、布石を打つ狙いがあるのだろう。
まるで、「果たし状」のようだが、小沢代表も、申し入れを全く無視するわけにはいくまい。代表質問で、これにどう応じるのかを注目したい。
首相がまず、ただしたのは、衆参ねじれ状況下の国会で、民主党に合意形成のルールを打ち立てる「用意はあるのか」だった。
福田前首相は、通常国会で、野党との協調姿勢を前面に出しながら、民主党に翻弄(ほんろう)され続けた。
麻生首相は、前政権の二の舞いは御免、ということだろう。
「成立は焦眉(しょうび)の急」として、補正予算案とその関連法案に対する賛否や、消費者庁創設への対応を明確化するよう求めた。同時に、与野党協議も呼びかけた。
外交・安全保障分野でも、次の2点を質問した。
一つは、民主党は日米同盟と国連のどちらを「優先劣後」させようとしているのか、である。
小沢代表は、かねて「国連中心主義」の考え方に立っている。首相は、日本外交が最重視すべきは「日米同盟の強化」であり、「国運をそのまま委ねられない」のが国連の現実だ、と指摘した。
その二は、海上自衛隊によるインド洋での給油活動を継続する新テロ対策特別措置法改正案の扱いだ。国際社会で果たすべき活動から逃れて「民主党はそれでもいいと考えているのか」と迫った。
いずれも、仮に民主党が政権を取った場合、懸念されている問題だ。小沢代表は、これを払拭(ふっしょく)する必要があろう。
演説で首相は、緊急課題として「日本経済の立て直し」を挙げ、当面は、景気対策に最優先で取り組む考えを表明した。衆院選を強く意識したものだ。
だが、選挙対策との指摘もある後期高齢者医療制度の見直しについては、「1年をめどに必要な見直しを検討する」と述べただけで終わった。これでは、何をどう見直していくのか、全く不明のままではないか。
首相は、野党の見解をただすという異例の演説をした以上、代表質問に対しては、野党の追及をかわすことなく、誠実に答弁しなければならない。
(2008年9月30日02時18分 読売新聞)
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社説:所信表明演説 野党の代表質問のようだった
毎日新聞 2008年9月30日 東京朝刊
まるで野党の代表質問のようだった。29日の麻生太郎首相の所信表明演説は民主党への批判や質問に重きが置かれたものだった。
近づく総選挙。首相の危機感の表れではあろう。だが、本来、所信表明演説は自分の政権が何をしたいのか、広く国民に明らかにするためのものだ。いくら選挙管理内閣であるとはいえ、野党批判の前にきちんと語るべきことがあったはずだ。政権党としてのプライドも捨ててしまったのかと疑うほどだ。
首相は法案審議が進まないのは民主党が政局優先の姿勢だからだと非難した。その一面があるのは否定しない。しかし、今の衆参のねじれは年金問題などにより、自民・公明政権が国民の信頼を失い、昨夏の参院選で自民党が惨敗したことに起因する。それを忘れてもらっては困る。
首相はまた、補正予算案の成立が「焦眉(しょうび)の急」だと力説し、民主党が対案を出すのも結構だとしたうえで、「ただし、財源を明示していただきます」と皮肉っぽく演説した。
民主党の政策に財源の裏付けが乏しいのは確かだ。だが、例えば首相は今年度内に定額減税を実施すると約束したが、その規模や財源は今も定かでない。
突如言い出した後期高齢者医療制度の見直しに関しても、説明不足から「国民をいたずらに混乱させた」と反省の意向を示すと同時に「制度をなくせば解決するものでもない」とも説明。何を見直すのかは方向性さえ明らかにしなかった。これでは「自・公も民主もどっちもどっちだ」と言われても仕方あるまい。
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