ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
[257912hit]
■ 大分教育汚職 これで「教育」ができるのか (2)
江藤被告の関係者の話などでは、同被告はこの直後、パソコンに記録していた教員採用試験の受験生の成績データを消去していた。その後の捜査で、同被告は合格圏外にいた受験生を採用枠に入れるためパソコン内の成績データを改ざんしていたことが明らかになっており、証拠隠滅を図った可能性がある。
しかし同県警の発表によると、江藤被告は同じ年の8月、佐伯市立小校長の浅利幾美被告(52)(贈賄罪で起訴)から、長男と長女の採用に便宜を図る見返りとして100万円分の商品券を受け取っていた。オンブズマンの指摘後も、自浄作用が働くことはなかった。
■不正の広がり
「ほかの人もやっていることだからいいと思った」
浅利被告の関係者によると、同被告は県警の調べにそう供述しているという。
江藤被告が関係者に明らかにした話では、中学の教員採用試験でも、一部の受験生を不正に採用するため得点の改ざんを行っていた。さらに同被告は、今年3月の人事異動で昇任した佐伯市内の校長や教頭3人から計約110万円分の商品券も受け取っていた。
9日に開かれた同県議会の文教警察委員会。質問に立った県議の一人が閉会後、「私も毎年のように県教委に口利きしていた。今も働いている職員や教員が10人ほどいる」と語った。
「議員枠」疑惑も次第に濃厚になりつつある。
■人脈
江藤被告が在籍していた義務教育課は小中学校の教員の採用と昇任人事を一手に担うセクション。実務の責任者だった江藤被告を支えていたのが、教育審議監をしていた由布市教育長の二宮政人容疑者(61)との人脈だった。
江藤被告が義務教育課の前身・教職員第1課に配属された03年当時、二宮容疑者が課長を務めていた。
そして江藤被告と二宮容疑者にそれぞれ商品券100万円分を渡し、長女の採用を依頼した義務教育課参事の矢野哲郎被告(52)(贈賄罪で起訴)も、江藤被告と1998〜99年度、佐伯教育事務所で同僚だった。県教委内の人間関係によって、採用や昇任が左右される実態が浮かび上がっている。
「狭き門」各地で不祥事 不正防止策ばらつき
地方の教員採用試験の競争率が大都市圏に比べ異常に高いという現実も、事件の要因とみられている。
大分県の場合、2007年度小学校教員採用試験の競争率は全国平均(4・6倍)の倍以上の11・9倍。秋田(27・7倍)や福井(26・8倍)など20倍を超える自治体もある。
こうした「狭き門」を巡る不祥事は各地で発覚している。1990年10月に同様の贈収賄事件が起きた山口県教委は、不正に合格した受験生が特定できないとして合格無効などの措置を取らなかったが、採用の際、1人の職員に権限が集中していた反省から選考過程を4段階に分け、それぞれ異なる職員が担当する不正防止策を打ち出している。
都道府県教委の幹部は、校長や教頭経験者が大半を占め、知事部局との人事交流が少ないことも情実や不正の温床とされる。このため大分県教委も来年度の教員採用試験では、知事部局にも担当させるなどの対策を公表した。
ただ、都道府県教委の不正防止策に、ばらつきがあるのも事実。文科省は10日、都道府県教委に教員採用の適正化を求める通知を出したが、同省は今回の事件が起きるまで、各教委が不正防止にどのように取り組んでいるのか把握していなかった。「採用方法を改善しても、担当者に不正をしないという意識が欠如していれば意味がない」と同省幹部はあきらめ気味に話している。
■文科省も指導を
竹内洋・関西大教授(教育社会学)の話「教員の世界は狭く、同様の不正はほかでもあり得る。選考に外部の人間を入れ、選考基準を透明化するなどの改革は教育委員会が行うべきだが、文部科学省も実態を調査し、不適切な点があれば指導する必要がある」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2、大分県教委の教員採用汚職:高校教員採用でも 小学校からすべてで不正 毎日新聞 2008年7月11日 東京朝刊
[5]続きを読む
07月12日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る