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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 日銀総裁空席:政治の深刻な機能不全
さもないと政治の身動きがつかなくなる恐れがある、と感じたからである。
その危惧(きぐ)が現実のものとなってきた。日本への世界の失望も深まるだろう。事態の深刻さを首相は直視すべきだ。
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日銀総裁人事 一日も早く空席を埋めよ
(3月20日付・読売社説)
日本銀行の総裁の座が戦後初めて、空席になった。この深刻な事態を招いた政治の機能低下は、目に余るものがある。
世界の金融市場は、危機的な状況にある。一日も早く、新しい日銀総裁を決定しなければならない。
19日で任期切れを迎えた福井俊彦日銀総裁の後任に、田波耕治・国際協力銀行総裁を充てる政府の人事案が、参院で民主党などの反対多数で否決された。
この結果、空席となった総裁の職務は、衆参両院の同意を得て副総裁に就く白川方明・京大教授が代行する。
「代行でも、日本の金融政策遂行に問題はない」「総裁人事問題が長期化することは、やむをえない」といった見方がある。だが、これは、無責任というものだ。
「代行」の立場で、金融システム危機などの緊急時に、迅速で大胆な政策対応ができるのか。代行が長引けば、市場は金融政策の先行きが不透明だと受け止め、日銀への信認を低下させる。
先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)など、国際舞台における日本の発言力も損ねてしまいかねない。
何よりも、日銀総裁という重要な人事が決められないという事実が、「必要な政策決定ができない日本」というイメージを増幅させてしまう。
福田首相は、難航を続ける日銀総裁の人事問題の早期決着を図らなくてはならない。総裁人事案を、改めて練りあげ、野党の理解を得る必要がある。
首相が提示した日銀総裁の同意人事案は、2度にわたって葬られた。「不同意」とした野党は、「総裁不在」がもたらすこうした“負の事態”に、責任を分担しなければなるまい。
特に、これを主導した参院第1党の民主党の責任は重い。
民主党は、現在の国際金融危機をどこまで認識し、これに対処するには、日銀総裁としてどんな人材が適任と考えているのか。
首相の提示した人事案に対し、その候補者の資質や能力、志向する金融政策などについて十分吟味したのだろうか。
「財務省出身者だから」などという、説得力に欠ける反対理由を挙げるだけでは、政治の責任は果たせまい。
日銀総裁人事は、与野党が責任を持って、決定しなければならない人事だ。これ以上、政争の具とすることなく、「同意」へ知恵を働かせるべきだ。
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社説:日銀総裁空席 政治の罪はきわめて重い
毎日新聞 2008年3月20日
日銀総裁人事は再び白紙に戻り、空席が現実になってしまった。日銀は日本の経済運営の根幹に位置し、海外からも動向が注視されている。そのトップが不在となる。こうした状況をつくってしまった政治の罪は重大だ。
元財務事務次官の武藤敏郎副総裁の総裁昇格に続き、田波耕治国際協力銀行総裁の起用も、参院で不同意となった。
政府は、副総裁への起用で新たに同意を得た西村清彦日銀審議委員と、すでに同意を得ている白川方明(まさあき)京都大大学院教授を副総裁に任命し、総裁職は白川氏が代行する。
米国の住宅バブル崩壊による金融市場の混乱は、深刻の度をますます深め、大手証券会社の破綻(はたん)回避のため米連邦準備制度理事会(FRB)が乗り出すという事態にまでなっている。
金融システムが危機に陥る事態を回避するため、主要国の中央銀行は密接に連絡を取り合って、事態に臨んでいる。そうした緊迫した状況の中で、日銀総裁が空席になってしまった。
日銀総裁が当面不在でも支障はないという声がある。しかし、中央銀行は、信用秩序の根幹であり、その存在をおとしめてはならないというのは、根本的な原理のはずだ。
そうした冷笑主義的なあきらめが堆積(たいせき)していけば、日本の危機は深まるばかりだろう。
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03月21日(金)
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