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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 介護業界崩壊の危機
「要支援1」「要支援2」に認定が変更されると、「介護給付」がなされる「要介護」とは大きく異なり、介護状態改善のためのサービス利用を意味する「予防給付」がなされることになる。その場合、具体的な変更点としては、▽ケアプランの作成がケアマネジャーの手を離れて地域包括支援センターの職員が行う▽毎月の介護保険からの給付限度額が2割から4割減少する▽訪問サービスを受けづらくなり通所サービス中心になる――などが挙げられる。
制度改正直前の昨年3月、要支援の認定者は75万人、要介護1は149万人だったのが、今年3月には、「要支援1」は53万人、「要支援2」は51万人、「要介護1」は91万人。移行は着々と進んでいるといってよい。
また、改正によって、ベッド・車イスなどの福祉用具の利用についても軽度の認定者は制限を受けることになった。「要支援1」「要支援2」に加え、「要介護1」の認定者による福祉用具の利用は原則的に認められない。東北保険医団体連絡会の調べでは、今年の4月の時点で、山形・秋田・岩手・福島・宮城の東北5県だけでも、既に4,000件を超える貸し出し中止が起きているという。
「予防といいながら、現状のサービスで予防が行えるとは思えない」「行政の決め方が一方的。もう少し現場を見てほしい」。東社協が実施した調査では、サービスを取り上げられた高齢者からの悲痛な叫びが寄せられた。
要支援の認定の促進は、「自立支援」や「予防」という理念による。それは確かに実現すれば素晴らしい。しかし、高齢者からの声は理念と現実の大きな乖離を浮き彫りにする。
「年寄りは早く死ねということか」。そんな記述も目立った。
昨年の介護認定にかかわる変更で利用者たちは大きな混乱をきたしている。しかし混乱は利用者だけにとどまらない。次回はケアマネジャーから見た介護保険制度に焦点をあてる。
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“限界”多く本来の使命果たせず/“老い”は悪か?A
2007/09/ キャリアブレイン
高齢者の生活を豊かなものにするケアプランの作成に携わるケアマネジャー。その役割は介護保険制度の根幹をなす。しかし、現場のケアマネジャーからは、「その使命を果たすのは困難」との声が聞かれる。国は“ケアマネジメント適正化”の名の下に、昨年4月の介護保険制度の改正で、居宅介護支援事業所に向けて新たな施策を打ち出した。それによって“限界”が大きくなったというのだ。彼らのいう“限界”とは何か。現場からケアマネジメントの実情を伝える。(金子俊介)
【事務作業に追われて】
「いくら頑張っても“限界”がある。そういう制度になってしまった」。そう話すのは、神奈川県横浜市の居宅介護支援事業所にケアマネジャーとして務めるNさん(男性)。日々、ケアマネジメントの質とは直接かかわらない事務作業に忙殺されているというのだ。
昨年4月の制度改正により、居宅介護支援事業所の運営基準が厳格化された。例えば、新しくケアプランを作成した場合や要介護更新認定・要介護状態区分の変更認定を受けた場合、主治医・家族・利用事業所の担当者など利用者にかかわる人が一堂に会して情報や方針を共有する「サービス担当者会議」の開催を義務化したことが挙げられる。これまでは文書でのやり取りも概ね許されていた。この会議は、開催に至るまでに相当の労力が必要とのことだが、Nさんによると、「利用者の中には必要とするサービスの内容が明らかで、会議が10分足らずで済んでしまう場合もある。そういう時は開催することの意味を考えてしまう」と心情を明かしてくれた。
また、少なくとも1ヶ月に1回、サービス利用者がどのような状態にあるのかを訪問して評価する「モニタリング」を実施し、その結果を記録しなければならなくなったことも、制度改正によってもたらされた新たな“負担”になっている。
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02月16日(土)
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