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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 銀行による保険販売が12月22日全面解禁
 解禁が近づき、大手銀行の保険販売の拡充の動きも激しさを増す。
 
りそな銀行は生保OBの派遣社員160人を確保したほか、行員教育のためアリコジャパンからの出向者も迎え、アリコの医療保険などを全店で販売する。みずほ銀行は生保からの出向者50人程度を受け入れ、全店で医療保険を扱う。
また、三菱東京UFJ銀行は死亡、医療、がん、介護の4種類の保険のうち、対応可能な商品から販売を始める。取り扱い店舗も段階的に全店まで広げる。指揮をとる和田哲哉常務は「顧客と店舗の多さが当行の強み。行員と保険のプロがペアで販売にあたり、コンプライアンスでも万全を期す」と意気込む。
 
すでに証券分野では、規制緩和で投資信託の銀行窓販や銀行による証券仲介業務が解禁されている。銀行の保険販売も平成13年以降、個人年金保険など貯蓄性商品から段階的に解禁され、今回の全面解禁に伴い、消費者は死亡保険や医療保険など保障性商品も含む保険商品を銀行で買えるようになる。
 大手行の場合、同じ種類の保険でも複数の生保から商品供給を受ける可能性が強く、消費者は自分に適した保険商品を選べる。銀行は金融サービスの「百貨店」に変貌(へんぼう)しつつあり、消費者の利便性は高まると期待されている。

 一方の銀行にとっても保険契約者を引き込むことで営業基盤の厚みが増す。大手行幹部は「社会人になって保険に入る人は多いが、結婚して子供ができると、住宅や教育にお金がかかるし、貯蓄もしたい。『なじみの銀行で一貫した金融サービスを受けたい』との要望は根強い」とみる。
ただ、「保険サービスの革命」(大手行幹部)とみられているだけに、落とし穴もひそむ。

 最大のリスクは販売・支払い責任やコンプライアンスだ。保険金の不払い問題で保険会社のずさんな管理態勢が浮き彫りとなり、「販売後に銀行はどこまで責任を負うのか」「きちんと保険金は支払われるのか」などの不安は尽きない。
 
「保険金・給付金は支払ってこそ顧客の役に立つ。保険金が支払えないのはどんなケースか、勧誘時に注意喚起するのが大事だ」。11月に開かれた、りそな銀の保険業務の管理者向け研修会でも、講師役のアリコの担当者はこう訴えた。
 
年金不安が高まる中で、消費者は老後に備えた動きを強めている。保険窓販の全面解禁が消費者に役立つかどうかは、消費者の利便性と契約者保護を意識した態勢づくりができるかにかかっている。

12月26日(水)
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