ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 「消えた年金」の照合不可能と開き直る。
これに対して 野党各党は「あまりに言葉が軽すぎる」と反発、舛添氏の問責決議案提出も視野に政府・与党を追及する構えだ
民主党の小沢一郎代表は会見で「公約違反で、政府の責任は非常に大きい」と福田内閣を批判。さらに町村発言を「国民を冒涜(ぼうとく)する、責任回避の言いぐさだ」と非難した。福島瑞穂社民党党首は「選挙のためならウソをついていいのか。赤福よりも船場吉兆よりも悪い偽装だ」と切って捨てた。
ただ、町村、舛添両氏の発言が非常識かどうかは別として、実際問題として、政府が年金記録統合のための新たな対策を見いだせていないのは事実だ。その意味で、両氏の発言は政府の本音でもある。
福田康夫首相は11日の閣僚懇談会で「国民の信頼を回復するため、対策の着実な実施や国民への丁寧な説明などにしっかり取り組んでもらいたい」と指示したが、舛添氏は特定困難な945万件について「優先順位をつけて検討する」としただけで具体的な対策を示せなかった。
こうした対応に与党内からは「福田政権はきちんと対応しなければ、年金問題の対応で支持率を落とした安倍政権の二の舞いになる」(若手議員)との声も出始めた。
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社説:不明年金照合 こんな開き直りは許せない
毎日新聞 2007年12月12日
保険料の納付データがだれのものかわからない5000万件の年金記録のうち約4割に当たる1975万件が、まだ行き先不明で宙に浮いたままであることが明らかになった。しかもそのうちの945万件は、氏名の転記ミスなどによるもので、手書きの原簿と照合しても特定の難しいことがわかった。
実に5件に1件の記録が今後も迷子を宿命づけられている。大量の持ち主不明記録が出ることに驚く。同時に、社会保険庁の職員がコンピューターに入力する際、誤って打ち込んだものがこんなに多かったとはあきれる。ずさん極まりない事務作業には改めて憤りを覚える。
社保庁は、宙に浮いた年金記録について、氏名、性別、生年月日の3条件を基に、基礎年金番号が付いた記録1億3000万件と突き合わせ作業を行ってきた。このうち本来の持ち主まで行き着いたのは1100万件。中には、すでに受給していた人の記録も300万件含まれていた。
しかし、約4割は「名寄せ」まで至らなかった。その内訳は、転記ミスのほか、すでに死亡している人の記録280万件▽結婚などによる氏名変更510万件▽氏名の誤変換240万件−−などという。
社保庁は今後、検索条件を広げることや手書き原簿との突き合わせを行うというが、身元確認のためには知恵と工夫を総動員しあらゆる手を尽くしてほしい。求められた負担に対して応分の給付が保障されないのでは、とても公正な社会とは呼べない。
それにしても公約の軽さにあぜんとする。「来年3月」までに照合を終え「最後の一人、一円まで支払う」のは、安倍内閣から福田内閣に引き継がれた約束だったはずだ。
舛添要一厚生労働相は記者会見で、政府公約の真意について「来年3月」は名寄せ作業を終了することを意味し、すべてが解決することでないと説明した。その上で「公約違反ではない」と強調した。
また「最後の一人、最後の一円はエンドレスの作業になる」と語り、まるで国民が勝手に公約を誤解し、ばら色の夢を見ていたと言わんばかりの物言いで、承服しがたい。
もし国民やメディアの受け止め方が間違っていたなら、これまでもただす機会はあった。それを放っておいて、公約達成が無理とわかると、解釈上の問題に帰するのは姑息(こそく)だ。「国民に誤解を与えた」と謝るのが筋だろう。
政府は、記録照合の工程表が大幅に遅れているのが明らかになった以上、改めて作業スケジュールを示すべきだ。
これからは人手も時間もかかる作業に入る。人手の確保が心配だが、ベールの向こう側の作業は途中経過を逐一明らかにし、透明性確保も忘れないでほしい。
12月15日(土)
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