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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■3人に1人、携帯が辞書代わり=漢字調べ、20代は8割利用
独立行政法人メディア教育開発センターは昨年、大学生約1200人の1日平均の携帯メール送受信回数と日本語の基礎学力の相関関係を調べた。「中学レベル」と判定された学生の平均が1日約32回だったのに対し、「高1レベル」は約27回、「高3レベル」は約15回。送受信回数が多い学生ほど日本語テストの点数が低いという結果が出た。
「言葉足らずなやりとりなので、送受信回数は増える。結果として、読書などの時間が削られ、語彙力の低下を招いているのではないか」
調査を取りまとめた小野博教授(コミュニケーション科学)の分析だ。
言葉知らないと「あの人の話は分からない」
本の街、東京・神田神保町にある国語作文教育研究所。所長の宮川俊彦さんは長年、企業や官庁の昇進や入社試験の論文などに目を通してきた“表現の定点観測者”だ。約400社から依頼を受けた昨年は、1000作近くを読んだ日もある。実感するのは「語彙が乏しく、表現力が極めて低下している」ことだ。
音楽関連の会社が志望者に課した「友情」というテーマの論作文がとりわけ印象に残っているという。「友情は大事」「友達は大切。いつまでも一緒にいたい」…。乏しい語彙で、わずか数行しか書いていないものがかなりの数に上った。
宮川さんは言う。
「昔と違って電話やメールがあれば隣近所で協力し合わなくても生きていける。無理にコミュニケーションする必要がないから、知らない言葉に出くわしても『あの人の話わからない』で済ませればいい。そんな環境の変化も影響しているのではないか」
IT化の流れはいや応なしに進む。新時代に対応した日本語教育はどうあるべきか。明確な答えは、まだ見えてこない。(海老沢類)
09月10日(月)
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