ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
[258022hit]
■米:急増する風力エネルギー需要
ニューヨーク州北部、オンタリオ湖近くにあるルイス郡では、酪農家たちがメープルリッジ・ウィンドファームを快く受け入れた。風力タービンは195基で、1基につき年間5,000から1万ドルの土地使用料が支払われる条件となっている。
農村でウィンドファームが歓迎されるのは、それが農家や牧場主の収入と技術者の雇用につながり、安い電力が手に入るからである。また、税収が増えるおかげで学校の設備を向上させたり道路の補修ができることも理由に挙げられる。
風力エネルギーの収益性の伸びには、大企業も関心を寄せている。4年前、ゼネラル・エレクトリックは、エンロングループの中で数少ない高収益の会社であったエンロン・ウィンドを買収し、同社の最新型風力タービンで世界の風力タービン業界トップの座を手にした。
さらに2005年半ばには、ゴールドマン・サックスが、ウィンドファーム開発を手掛ける小規模のジルカ・リニューアブルエナジー(Zilkha Renewable Energy)を買収した。この会社は現在ホライゾン・ウィンドエナジー(Horizon WindEnergy)という社名でゴールドマン・サックスの完全子会社だが、同社が有する風力発電容量は、建設中と計画段階のものを合わせると4,000メガワットになる。この容量で1,200万戸の電力を十分賄うことができる。
風力発電事業における世界的大手のAESは風力発電の開発を手掛けるシーウェストを買収し、米国の風力発電業界の中で確固たる地位を築いた。同社が開発中の風力発電容量は1,800メガワットである。英国沖合の風力発電をめぐる入札で有力候補とされるシェル石油は、現在米国内に315メガワットの発電容量を有し、それをさらに増量することを計画している。またBPは2,000メガワット規模の風力発電設備を計画しており、米国内で建設候補地を選定中である。
2005年には米国全体で風力発電容量は36%増加し、9,149 メガワットに達した。今年は50%の増加も不可能ではないだろう。米国では2005年末の時点で、30州に商用ウィンドファームが存在している。風力タービンの生産が間に合わないという制約がなければ、風力発電の成長はもっと加速しているだろう。ゼネラル・エレクトリックは現在米国の風力タービン市場で60%のシェアを占めているが、既に2007年分まで完売の状態にある。
風力エネルギーは豊富で安価な上、無尽蔵で広くどこでも手に入り、クリーンなため気候に影響を及ぼすことがない。そのため新エネルギー経済の中核的な存在となりつつある。米国内50州のうち、ノース・ダコタ、カンザス、テキサスの3州には、米国全体の電力需要を満たすことができるほど、利用可能な風力エネルギーが十分にある。さらに風力発電コストも、1980年代初頭に1キロワット時あたり38セントだったものが今では4セントから6セントにまで下がった。その結果、安価なエネルギーがほとんど無限に供給されるようになったのである。
その上、風力エネルギーは決して枯渇することがない。誰も供給をストップしたり、値段を上げることはできない。そして地球の気候をなんら乱すことなくわれわれに エネルギーを供給してくれるのである。
(翻訳:酒井、山田、古谷)
10月28日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る