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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■風力エネルギー
1/3以上を占めている。2位は1980年代初めにカリフォルニア州で最新の風力発電産業を起こした米国で、4,250MWである。3位はスペインで3,300MW、4位はデンマークで2,400MWである。デンマークは、現在電力の15%以上を風力から得ている。2001年に増加した世界の発電容量のほぼ2/3は、上位3カ国に集中しており、ドイツが2,600MW、米国が1,700MW、そしてスペインが930MWである。米国については、2001年に、発電容量がおよそ67%増加したことになる。
このように目覚しい成長がみられるものの、地球の風力資源の開発はようやく始まったばかりである。人口密度の高い欧州の沖合いには、利用しやすく、かつ地域全体の電力需要を賄えるだけの風力エネルギーが存在する。米国では、大草原地帯に位置する諸州の豊富な風力エネルギーを活用すれば、国全体の電力需要を賄うことができる。そして中国は、風力だけで優に現在の発電容量を倍増させる
ことができる。
米国では、過去15年間で優良立地における風力発電のコストが急激に下がってきている。1980年代半ばには1キロワット時当たり35セントであったのが、2001年には4セントにまで低下した。
さらに、最近の長期供給契約の中には、1キロワット時あたり3セントの契約がいくつか見られる。石油、石炭、原子力発電への既存の補助金との格差をなくすため1993年に風力エネルギー生産税控除(PTC)が導入されて以来、米国の風力発電の成長は著しい。コロラド、アイオワ、カンザス、ミネソタ、ニューヨーク、オレゴン、ペンシルバニア、テキサス、ワシントン、ワイオミングの各州で新たなウィンドファームが稼動を始めた。2002年の3月にPTCが2003年末まで延長されたことで、風力発電の急成長を支える土壌ができた。
風力による低コストの電気を使えば、水の電解によって水素を生成することも可能となる。その水素を貯蔵し、風力が弱いときに、ガスタービン発電用の予備燃料にすることは簡単にできる。長い目で見れば、風力発電を利用して得られる水素は、天然ガス資源が枯渇した際、ガス火力発電所における代替燃料の最有力候補となる。
水素はまた、現在、大手自動車メーカーがこぞって開発に取り組んでいる燃料電池エンジンにうってつけの燃料である。ホンダとダイムラー・クライスラーの2社は2003年に燃料電池自動車の販売を開始する計画である。
風力発電は長期的な電力価格の安定と、エネルギー自立をもたらす。風力発電による電気のコストは安く、現在も下がり続けており、そのうえ、天然ガスのような急激な価格高騰の恐れがない。どこにでも存在する風力にはOPECのようなカルテルは存在しない。風力は無尽蔵であり、社会が必要とする以上のエネルギーを供給し、その上、気候変動を引き起こすこともない。
風力タービンの製造と風力開発への投資はこれまでも大きな利益を上げてきた。2001年、ハイテク企業が軒並み、売上、収益の壊滅的な減少、そして株価の下落に苦しむ中、風力産業の売上は大幅に伸びた。例を挙げると、世界有数の風力タービンメーカーであるデンマークのノルデックス社の2001-2会計年度上半期の売上高は47%増であった。
ここ最近の発電容量の伸びにもまして、将来の成長予測には目を見張るものがある。欧州風力エネルギー協会は最近、欧州の2010年の風力発電量の予測値を4万メガワットから6万メガワットに修正した。
フランスは長年、風力発電を軽視してきたのだが、2000年12月に今後10年間で風力発電量を5千メガワットにまで引き上げると発表した。アルゼンチンはその数週間後に、パタゴニア地方における3千メガワットの風力発電開発計画を発表。英国は2001年4月に、シェル石油など数社の入札相手に1,500メガワットの風力量が見込まれる洋上発電のリース権を売却した。さらに2002年初頭、中国は2005年までに風力容量を1,200メガワットに拡大する計画を発表した。
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07月25日(日)
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