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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■2015年にも月への有人飛行再開・・・米大統領
 金原さんは「予期していなかったので、ものすごくうれしい。小説家になろうと思ったのは小6のころ。どの世代にも通じるものを書いていきたい」と喜びを語った。

 受賞作を書いたきっかけは「子供のころから人と交われないもどかしさや生きづらさを抱えていました。そんな行き場のなさを小説で表したかった」という。

 小学4年から不登校になり、中学もほとんど通っていない。専修学校の高等課程も1年でやめた。「中学時代は精神科に通ったこともありますし、カッターで手首に傷をつけたこともあります」。今はそのころを落ち着いて振り返る。

 小6で9カ月間、米国サンフランシスコに滞在した。日本語が恋しくなり、手当たり次第に本を読み、同時にワープロにも向かった。

 「一緒に住んでいる彼に新人賞の応募を勧められたんです」と明かした。金原さんが「私の最初の読者」と言う父親の法政大教授(エスニック文化)、瑞人(みずひと)さんは「うれしいの一言」と喜ぶ。「『蛇にピアス』を読んだ時、もっと恥ずかしいものを、親が地元に住めなくなるくらいの作品を書け」と励ましたという。

 綿矢さんは「自分の作品はすごく小さい世界なので、驚きと不安しかありません」と喜びを語った。

 小学校高学年で、担任の先生が「本を読むと数字が増える通帳」を作ったのが読書好きになったきっかけ。好きな作家は太宰治や村上春樹さん。「ビシッと決まっているところが好き」という。

 京都市立紫野高3年だった01年、「受験から逃れるために書き出した」という小説「インストール」で文芸賞を最年少受賞。32万部のベストセラーになり、今年、映画化もされる。

 今回の受賞作「蹴りたい背中」もすでに13万部。「表面は野性的でも、内面はウジウジした女の子と内にこもる男の子とのズレた関係のおかしさのようなものを書きたかった」と言う。

 高校が舞台。クラスからはみ出した1年生のヒロインと同級生のオタクの男子生徒との間の微妙な間柄がつづられる。ユーモアを交えながら、現代の若者の姿を小気味よく描く文章も魅力だ。

 村上さんは「文章が巧みで高校生の生き方がポジティブに描かれていて、気持ちよく読めた」と評価した。(毎日新聞)
[1月16日1時56分更新]


Aケータイ世代 文壇に風 19、20歳女性芥川賞最年少受賞(西日本新聞)

 文学の世界に新しい風―。綿矢りささん(19)、金原ひとみさん(20)の受賞が決まった第130回芥川賞。これまでの最年少受賞記録23歳を大幅に塗り替える若さでの受賞となる。活字離れ、ケータイ世代から生まれた新たな才能に、九州・山口の文学関係者からは、「男性社会で女性が『表現』への思いを募らせているのでは」「今を語る新しい言葉を若い世代が獲得してきた証し」といった声が聞かれた。

 「今の生を、若い感覚で表現できることは素晴らしい」。文芸評論家の秋山駿さん(73)は、2人の前途に期待する。福岡市出身の芥川賞作家、大道珠貴さん(37)は「若い、いい時期の受賞。これから仕事をする中で、自分を磨いてほしい」とエールを送る。

 新人賞に応募する若い書き手の増加は、最近の傾向だ。昨年の「文芸賞」の応募者は10代、20代で半数を占めた。その流れが、“頂点”の芥川賞に及んだわけだが、詩人の渡辺玄英さん(44)=福岡市=は「従来の作家が使った言葉は『不良債権』化し、現実を映していない。若い作家の言葉はネットなどで使われているもので、今と切り結んでいる」と指摘。秋山さんも「文学とはこうあるべきだ、という考えから若い人は自由で、豊かな表現につながる」と語る。

 女性作家の躍進は目ざましい。大道さんをはじめ、ここ10年の同賞受賞者は女性が目立つ。花田俊典・九州大教授(53)は「学生を見ていても、女性の方が圧倒的に表現力がある。男社会にとらわれたくない、という意志の表れでは」。宮原哲・西南大教授(48)は「男性は目的があって文章を書くが、女性は書くことを楽しんでいるように映る。だから読む側も引き込まれる」と指摘する。


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01月21日(水)
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