ID:19200
たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■アダルト・チルドレンを理解するために
日本には、ある程度の数のミーティング会場を持つACのグループが3つあります。

・ACA(アダルト・チルドレン・アノニマス)
・ACODA(アダルト・チルドレン・オブ・ディスファンクショナル・ファミリーズ・アノニマス)
・ACoA(アダルトチルドレン・オブ・アルコホーリックス)

どれも12ステップを使っているグループですが、このうちACAとACODAは(おそらく)日本で始まったグループです。wikipedia によると、日本におけるAC文化の歴史は、1989年のクラウディア・ブラックの講演に端を発しているそうです。

とすると、ACAやACODAの誕生はおそらく1990年代ということになります。ACAが使っている12ステップの本の奥付には日本語版の初版が1998年に出版されたとあります。(ちなみに原著の英語版初版は1987年)。

回復の分野に20年以上いる人は、1990年代のアダルト・チルドレン・ブームを憶えていると思います。テレビで「アダルト・チルドレン」の言葉が使われ、ACバッシングまで起きたのでした。詳しい経緯はわかりませんが、ACブームと相前後して1990年代に日本でACAとACODAが誕生したと考えて差し支えないでしょう。(なんか資料を持っている人がいたら教えてください)。

さて、アダルト・チルドレンはアメリカから輸入された文化ですから、アメリカではすでに1980年代にはいくつもACのグループが存在したそうです。何種類の団体がどれぐらいの規模で活動していたのか僕の手元に情報はありません。ただ一つ知っていることは、その中の一つACoA(アダルトチルドレン・オブ・アルコホーリックス)が今でも世界的に活動している、ということです。

ACoAが日本で活動を始めたのが数年前からです。

ACA・ACODA・ACoAという三つのグループがあると、比べてみたくなるのが人情というものです。それぞれのサイトを見ると、「ACの特徴」を表した文章が載ったページが見つかります。

ACA - 問題 - http://aca-japan.org/docs/problem.html

ACODA - 機能不全家庭で育ったことにより共通して持つようになったと思われる特徴 - http://www.acoda.org/problem.htm

ACoA - ランドリーリスト - https://sites.google.com/site/acoajpn/acais/laundry_list

この三つの文章はどれもよく似ています。ランドリーリストは、ACoAを作ったTonny A.が1978年に書いたものだそうですから、ACAとACODAの文章は、ランドリーリストを参考に日本で作られたのだと思われます。

見比べてみると、違いに気がつきます。ACODAとACAは13個、ACoAは14個あります。最後の項目を見ると、

ACA - 13. わたしたちは、自ら行動する人ではなく反応する人である。
ACODA - 13. 自らの意図で行動するより反応する傾向がある。
ACoA - 14. パラアルコホーリックは、自ら行動する人というよりも反応する人である。

そして、ACoAには(他にはない)13番目の項目として、

ACoA - 13. アルコール依存症は家族の病気である。私たちはパラアルコホーリックになり、たとえ自分は飲まなくてもその病気の特徴を受け継いでいる。

というのが含まれています。

ACoAでは、アダルト・チルドレン(AC)はパラアルコホーリックだとしています。para というのはこの場合は「擬似」という意味ですから、擬似アルコホーリクという意味です。ACは依存症にならなくても、その特徴を親から受け継いでしまっている、と自らを規定しているわけです。

AC=擬似アルコホーリクと捉えることで、シンプルになります。アルコホーリクが12ステップで回復できるのなら、擬似アルコホーリクであるACも同じ12ステップで回復できる、という理屈が成り立つのですから。


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07月07日(月)
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