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ひぽこんコラム
by 和田
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■プチ・ホームレス
和田、ホームレスの練習をする。。。。

 急に暑くなり、今住んでるこの家は直射日光バカ当り&べランダに屋根がないので、もう夏はおられない部屋で、でもお金がないからエアコンは今年は禁止にしたので、まぁ、仕事もないことだし、キコキコとチャリを漕ぎ、中野へ!

 バッグの中にはパンとお茶とバナナ。。。。

 いざ、中野へ。

 向かうは前に住んでいた家のすぐ後ろにある、新井薬師公園。心のふるさと。狭い公園だが、公園全体が木陰で、あんまりきれいではないベンチが幾つかあって、そこに座れる。さっそく1つを陣取って、色々とモグモグ食べ、それから延々読書。。。。延々。。。。延々。。。。

 気づいたら5時間近くいた。。。

 新井薬師公園。しかし、私がいる間、ずっと同じおじいさんもいたり。あと、ときどきいる、ギター流しジイさんと歌声仲間たちも今日もおって、昔懐かしい歌をギターと共に歌っておった。ジイさん、帰るとき、背中にギターを剥き出しのまま背負って、チャリにまたがって帰る! ギターを抱えた渡り鳥状態っ! チャリは3輪車のチャリで、後ろの荷台に楽譜をたくさん積んでいた。

 足の悪いお婆さんも、ヒマらしく、行ったり来たり、何度も来た。お婆さん、ボオオとしてたから、話しかければよかったかな。。。

 公園は清々しく。そして寂しい。ああ、でも、足の悪いお婆さんに最後の方で友達婆さんがやって来て、あずきアイスをプレゼントして行った。婆さん、ペロペロ食べていた。ずっといたジイさんにも途中、仲間が来て、話していた。

 ずっと1人だったのは私だけか。。。。ショボン。

 1人で「よくできた女(ひと)」というバーバラ・ビムという女性作家の本を読んでいた。ものすごく面白い。戦後すぐのロンドンを舞台にした、おひとりさま小説。主人公のおひとりさまの女性が辛らつで、観察眼があって、彼女の目線で色々語られていく。

 独身女性の感じ方って、今の日本も、戦後すぐにロンドンもあんま変わらない! 結婚してる女性への視点。女友達への視点。分かる分かる、うん、そうだそうだ、と思える。

 バーバラ・ビムはほとんど知られてないけど、20世紀のジェーン・オースティンと呼ばれていたような、すごい女性作家で、とうに亡くなっているけど、感性がものすごく鋭い。ああ、こんな風に書けたら最高〜〜〜〜!って感じ。

 翻訳者もいいんだろうなぁ。芦津かおりさん、という人だ。

 それにしても、みすず書房って。。。ああ、この本はみすず書房から出てるのだけど。。。。みすず書房の本て、読むとたいてい好きかもしれない。みすず書房。しかし、すごく文学すぎて、私なぞ、手も足も出ない感じ。みすず書房の編集さんとかとお話してみたいが、笑われて終りって気ぃすんな。。。憧れのみすず書房!

 しかし、憧れたところで、私は1日プチ・ホームレスだしな。。。しかしプチ・ホームレスは楽チンです。本当のホームレスは過酷で、とても難しい。

 それにしてもこんなにも新井薬師が好きなんだから、なんとしても新井薬師に戻らなければ。前に住んでいた部屋、また空いてる。まるで私を待ってるかのように。。。でも家賃がもうそんなに払えない。あああ。お金ほしいなぁ。。。
06月03日(火)
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