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ひぽこんコラム
by 和田
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■フリーダ・ケリーさん
この土日は台風なのか、どうなのか? この週末はまた高円寺フェスとかいうのがあって、店では105円均一やる!と、店長はだいぶ前から張り切っておったのだが。。。どうなることやら。
先週も土日は雨で、パン売れず。
パン売れずという前に、高円寺の通りには人おらず。どの店も閑古鳥が鳴いていた。中野にチョロッと行くとものすごい人ごみで、たった1駅違うだけなのに、なんて差!と驚くわ。 まぁ、人間はほとんど見かけませんなぁ。。。な、冥界からしたらすごい人出なのだがな。。。
しかし、そうやって、商売に張り切ろうとしても天候に左右され。。。人間の技など、天気の前には無力で。
台風でリンゴがぜんぶほとんど落ちてしまった、という農園さんもさっきテレビでやってたが。
あらゆることは思うがままにならないんだよなぁ。
自分の人生はちっとも思うがままにならないとジリジリするけど、こうして店などで働くと、どの人の人生も意外と思うがままにならないと知れる。
店などで働いて、地べたに這いつくばって床なぞ磨いていると、チョロッとやってきて、150円のパン1個買ってくれるお姉さんにも、ありがとうありがとう、と心から感謝できる。
店などで働くことのよきことは、けっこうあるのだ。
ところで、今週はその合間に「愛しのフリーダ」という映画の試写会に行ってきた。
フリーダさんはビートルズのマネージャー、ブライアン・エプスタインの秘書で、ファンクラブも運営していた人。
なんと! わずか17歳でその職に就いた。てか、イギリスの学校制度で、フツーの人は、当時は大学なんて行かないし、高校にも行かないから、16歳から彼女もすでに働いていたんだ。
でも、ある日の昼休みに仕事仲間に誘われ、近所にあるキャバーンてクラブに行って、そこで演奏してるビートルズってバンドに夢中になり。
もう昼休みごとに通って。。。。でも彼女はぜんぜん出しゃばりじゃないから、いつも柱の影からコッソリ見てた。
そのうちでも、バンドとも親しくなって。あるときブライアンが「バンドと契約した、秘書になって!」と頼んでくる。このときまだ、ブライアンも27歳なんだよね。わけ〜〜。
ブライアンはその若さゆえにビートルズの新しさと面白さに共感できて契約したんだと思うけど、同時にフリーダさんという、信じられないくらいの誠実さとバンドへの忠誠を持つ女性を秘書にしたって、やっぱりすごい人を見抜く目を持った、超頭のキレる男やったんやなぁと思う。当時、イギリスは法律でゲイが禁止されていたらしく、ゲイのブライアンは、人を見抜く目を自分が生きるための術として身に付けていたんだろうけど。。。(それも切ないのぉ)。
とにかくフリーダさんはすごいんだ。ぜんぶのファンレターにちゃんと返事書いたり。床屋さんでゴムマット敷いてメンバーの髪の毛集めて、要望するファンに送ったりさ。
ウソついて、面倒だからって自分の妹の毛を入れたアシスタントの女の子はソッコーでクビにしちゃう。もう、バンドを守るため、ファンにウソをつかないためなら、鬼軍曹になるんだっ!
とにかくでしゃばらない。ウソつかない。ファンは絶対。バンドは死んでも守り抜く。
その気持ちだけで動いてる!
すげぇ強くて、考えてて、働く女性としても、当時は誰かえらい人の秘書になることが女性の仕事の頂点だったから、自分は死んでもこの地位を捨てない!と頑張ってて。癇癪持ちのブライアンの横柄さにもクールに立ち向かう。
でもって。バンドが解散。自分も結婚して辞める。でも辞めた後もオフィスに届いていたファンレターにぜんぶ返事を書き続けて、バンドについて教えてきたりしたんだ。。。何年間も。
それなのに、その後はフツーの主婦にして、やはりまたフツーの会社の秘書としてフツーに働いてきた。ずっと。何も語らず。黙々と。しゃべれば数億のお金がもらえるときもあったのに、知らん顔。
でも、孫が生まれて、自分の人生を語っておこうと思って、ドキュメンタリー映画のオファーを引き受けたんだ。
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10月23日(水)
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