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ひぽこんコラム
by 和田
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■アストラル・ウィークス/ヴァン・モリソン
 いい音楽ってまるで家みたい。
 いつでもそこにすぐに帰って行きたくなる。そこに行くとホッとして、安らかになり、同時に心弾み、にこやかで、やさしくなれる。
 そうなんです。きのうからずっとヴァン・モリソンの『アストラル・ウィークス』を聴いています。これは1968年11月に発表になったアルバムで、なんと。もう40年近くも前の(オレの年に近いじゃないっすか!)もので、そして当時も今も、ここからたったの1曲もヒット曲なんて出ていません。だいたい1曲が9分もあったりで、ラジオで気軽にオンエアー♪なんてことも滅多に出来そうもないですからね。
 アルバムには全部で8曲。LP時代のものですから、in the beginning編と、afterwards編に分かれています。始まりがあって、結末がある。アルバム1枚が物語というか、いえ、物語としてつながってはいないのでしょうが(なにせ歌詞カードのない輸入盤だからすいませんねえ)、でもここには漠とした1つの世界が広がっています。そしてそこは家のようです。
 心地よく、暖かく、いつでも包み込んでくれる。
 たぶんシンガー・ソングライターのアルバムってこういうものなんだと思います。いまどき最近はシンガー・ソングライターがブームって言いますけど、それ、ちょっとクビひねります。だって申し訳ない。そう呼ばれて登場してきてる人のほとんどのアルバムは、こんなんじゃない。パッと目と耳を引く華々しい1曲はあるけれども、漠とした世界が広がってない。大きなもので包み込んでくれない。帰りたくなる家のようじゃない。
 ヴァン・モリソンはこじんまりとしてるけれど、暖かい、暖炉の火が絶えることない家の、優しくて、おおらかで、働き者のお父さんのよう。いつでも、どこにいても家族のことを見守っててくれて。悲しいときは黙って抱きしめてくれ、嬉しいときは泣いて喜んでくれる。
 すばらしいシンガー・ソングライターは家族みたいだなぁとも思いました。
 
05月30日(火)
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