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ひぽこんコラム
by 和田
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■統合失調症がやってきた
 どうしてそうやって統合失調症だから専門家って高いところに上げちゃうんですか? そうやってメディア側が統合失調症は難しいこと、下手なこと書いて読者から抗議が着たら困るから、ここは無難に専門家にお願いしておこうって、まるで腫れ物にさわるようにするから、いつまでたっても統合失調症への理解が進まないんです。松本ハウスがこの本を出したのは、そういう偏見を取っ払い、身近なものとして理解して、という願を込めて出したのに、どうしてそんな風に遠ざけるんですか?

 そう言ったら、そうですねそうですね、と言って。でも、じゃ、サヨナラって。。。。

 なんかもう、脱力して、ガックリして。その媒体は特に弱者の味方です、とうたってるとこなんで、何が味方だよ!と怒りも爆発した。

 実はその前にも、別の媒体で、頼まれてた仕事を大御所ライターの一言で奪われて、仕事なくなる事件なるものもあって、私は今、もう、完全にやる気を失ってる。

 昨日、オカンが電話してきて、「沼津の土井製菓が新しい工場造るからって人を募集してるよ」ってうれしそうに言ってた。私がオリンピックがイヤだから沼津に帰ろうかなと言ってたから、探してきたんだ。

 年内にも東京を去る準備をしたほうがいいのかもしれない。そろそろ潮時?

 そうそう、昨日、この話をブチ怒りながら、川内家で話していたら、そこに来てた友達の1人が「統合失調症って何?」と聞いてきた。そうなんだ。そうなんだよね。みんな、それ何?なんだよね。

 もう、何もかもイヤだ。本当に。全員クソくらえ、死ね死ね死ねという感じだあああああああああ!と、昨日は川内家で叫んでいて、そしたら川内ママが最高においしいご飯を作ってくれて、それを食べてる間は幸せだった。でも帰り道、中野にチャリを置いてあったから、ゴキゴキ30分漕いで帰ってくる夜道の間に、また怒りが猛然と湧き起こって、その極地に至った。

 世界中呪ってやる。全員死ね。死ね。死ね。怒りたけって、自転車を猛烈に漕いだ。

 でも家に帰って来て、また「統合失調症がやってきた」を読んだ。

 そこにハウス加賀屋の思いとしてキックさんが記してる文章を再発見した。
 
 本当のことを言うと、僕は「負の力」で仕事をしていた。恥ずかしい話だけれど、僕は自分が売れたことに、こんな思いを持っていた。「ざまあみろ。僕は病気で、薬を飲んでるし、グループホームにまで入ってたんだぞ。それが、テレビにも出て、お金も稼げるようになった。ぼくのことをバカにしたみんな、ぼくをダメなヤツと笑ったみんな、ざまあみろ!」
 人を怨む、世間を呪う「負の力」。
 これは、簡単に恐ろしいパワーを生み出してしまう。
 どうにでもなれというパワーは、人を圧倒し、魅了することすらある。
 だけど、それは必ず自分に跳ね返ってきて、自分を追い込む危険な刃物だ。
 だから今のぼくは「正」の力で物事を考え生きるようにしている。怨まず、呪わず、感謝する。100パーセントできてる自信はないが、心がけるように努めている。

 
 普段、格言みたいこととか、いいお言葉みたいのとか、クソくらえっ!と、大嫌いだけど、加賀屋のこの言葉は沁みた。

 すごい実感があって。ものすごい苦しみの中から沸いたこの言葉は本当に沁みた。

 これは本当にすばらしい本です。あらゆる人に読んでもらいたい。「統合失調症がやってきた」 イーストプレスから、1300円。書いたのは相方の松本キック。加賀屋が療養中も、ひたすら黙って待ち続け、どんなときも加賀屋の味方で、加賀屋を楽しくイジってくれる人。「今のオマエは『今のオマエ』やから、できることをやったらええんよ。できなことは『できません!』それでええんよ』と言ってくれる人です。

 すげぇ、いいコンビだ。

10月02日(水)
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