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つらつらきまま
by seri
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■黒談春を観に行った

立川談春さんの独演会「黒談春」を観に紀伊國屋ホールへ行って来た。
 談春さんのファンの方と知り合いになったことがきっかけで行ってみたのだが、とても面白かった。
 落語は不思議な娯楽で、同じ筋書きの噺でもやる人次第で次の展開が気になってしかたがないほど魅力的なものにもなれば、(...何故日本語を聞いてるのにこんなにも理解出来ないのだ!?)と、自分のアイデンティティに疑いを持ってしまうほど全く以って理解出来ず途方に暮れる時もある。
 談春さんの噺は、二席とも最後まで集中力が途切れず聞くことが出来た。
 
一席目の「札所の霊験(三遊亭円朝作)」は、“落語は古臭い大昔の話”と思ってる人にほど聞いてもらいと思うぐらい、さしずめ火曜サスペンスや土曜ワイド劇場でやっても違和感が無い内容だった。
 人間の嫌らしさとか怨念とかをこれでもか、というぐらいに見せ付けられて結構ドロドロしている内容だったけれども、(さぁ、これからどうなる!?)と気になったところで、話半ばのサゲとなったのその後をインターネットで調べたら、(そう来るか!)と唸ってしまった。
 恐るべし、三遊亭円朝。
 現代を先読みしてたんじゃないのか、この人はと思ったが、人間の情は何百年経っても変われないものなのかもしれない。

 噺を聞きながら、噺の登場人物の顔が噺家を通して見えるような錯覚に陥る時がある。
 常々絶賛している「鶴瓶版死神」はサゲを聞いた途端、舞台にいない筈の死神がにやりと笑ってる姿がはっきり見えた気がして、(わぁ〜、完全にこの噺に私はハマってしまった)と、しばらく興奮冷めやらずだった。
 同じような感覚に今日も陥った。
 叡善住職が自分の正体をお梅に打ち明けた時、お梅に対する並々ならぬ怨念と消えない思慕が入り混じる屈折を抱えて生きてきた叡善住職の鬼気迫る表情が談春さんを越えて見えた。
 これがあるから落語はたまらない。

二席目は「宿屋の仇討ち」で、割とポピュラーな噺なのだが私は聞いたことがなかったので、新鮮に楽しめた。
 (そう来るか)とにやっとした。
 パンフレットとは逆のプログラム順だったのだが、この並びで良かったと思う。

終演後、今回お誘いしてくれた方とチケットを取ってくださった方と遅めの夕食をとりながら落語談義。
 松鶴師と春團治師の二人会を見たことがあるという話を羨ましく聞く。
 こんなに面白いと私が思う鶴瓶さんが弟子入りしたいと思うほどの方なのだから、凄かったのだろうな、松鶴師の落語は。
 4月に大阪に行ったらワッハで何か聞いたり見たりしよう。
 貴重な上方落語の資料の数々。
 あそこに集められた資料の数々の散逸が免れないような決断が下されることがありませんように。
 お願いします、橋下知事。
02月19日(火)
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