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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ガクガクブルブル/ワークショップ『演出家・森田さんの「イッセー尾形ができるまで」』Part4
ワークショップ四日目、最終日。
初めて、オープニングシーンの演出と、全体構成が決まる。昨日まで舞台にはなにも設置されていなかったが、ようやく平台と白い壁が背景に立てられる。ここがどことも見立てられる装置だ。
森田さんの「出たい人は出るように」との指示で、出演者の半分ほどが舞台上の平台に上る。私もしげも上り、これで一応、イッセーさんと「共演」できるようになった。
イッセーさんは、スケッチのところどころに勝手に出演する「東京から出張してきたサラリーマン(なんだけど、どうやら怪しい仕事関係らしい)」という役どころ。オープニングでは、事故に遭って倒れている女の人の第一発見者だけれども、「小倉以外の住人」ということで犯人にされかかる。もちろんこのアイデアは森田雄三さんで、小倉の排他性をそのまんま舞台に移した皮肉な演出である。イッセーさんは最後には群衆の前で土下座して謝ることになる。
「人が土下座するって大変なことなんだよ」と森田さんは仰るが、つまり部外者をそうさせてしまうのが「小倉の街」だと喝破しているのだ。小倉の人々を「デリケートで控えめ」とか言いながら、舞台ではしっかりその残酷さも描いてしまうわけだ。食えない方である。
私は自分の出演シーンはこれだけだと思っていたのだが、いきなりあるシーンに出演するように言われて、即興で演じることになった。一応オーケーが出たので、三日間の出演が決まる。てっきり好きな日に一日だけ出演すればよいのだと思いこんでいたのに、何ということであろう。もちろん嬉しいことは嬉しいのだが、何百人単位の観客の前で芝居をした経験など、高校時代の予餞会以来である。私なんぞに勤まるのだろうか、途中でやっぱり降ろされるんじゃないかという不安の方が弥増すのであった。
明日はいよいよ初日である。
夜はよしひと嬢のお母さんにご馳走攻めになる。普通の惣菜、普通のおかずなのだが、しげには天地がひっくり返っても作れない「おふくろの味」。感激以外のなにものでもない。
09月16日(金)
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