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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■だから酒税は今の十倍でも構わないって/『戦国自衛隊1549』Vol.1(半村良・福井晴敏・Ark Performance)
話題の『エウレカ7』、チラッと見たけど、それほど“引っかかるもの”がない。1話から見たわけじゃないから何とも言えないけど、キャラクターがデザインに凝ってるワリには内面の方が作り込まれてない気がする。もう何話か続けて見てみないとちゃんとした感想は出せないが、ウラの『ゾロリ』とどっちを見るか、迷うところだ。
今日の『仮面ライダー響鬼』は十八之巻「挫けぬ疾風」。
ついに「謎の男」がライダーたちと接触(っつっても会ったのはあきらだけだが)。これがどういう目的だったのかがよく分からない。あきらに「何かした」のか、単なる足止めだったのか。結局オオナマズは倒されちゃったわけだから、足止めだけが目的だったら何の意味もなかったことになる。当然ここは前者であって、あきらの身に今後変化が……って展開になるのが作劇のセオリーってもんなんだけれど、『響鬼』の脚本家陣、あまりそこまで深く考えて脚本書いてない気がしてならないんだよね(笑)。「謎の男」のただの示威行為なんじゃないかな。
しかしここんとこどんどんヒビキの影が薄くなってきてるのはちょっと気になるとこだね。早いとこバイクに乗せたげようよ。
マンガ、半村良原案・福井晴敏原作・Ark Performance漫画『戦国自衛隊1549』Vol.1(角川書店)。
福井晴敏作の小説版も出てたけど、単行本だったので、マンガ版だけを購入。最近はあれこれと出物が多いので、小説は文庫か古本でしか買わなくなってるのだ。映画企画ありきのメディアミックスだから、原作を小説で読もうがマンガで読もうが余り変わらんわな。つか、『亡国のイージス』にしろ『戦場のローレライ』にしろ、福井晴敏の小説って、設定のあざとさと浅薄なイデオロギーが鬱陶しくて、力のある作家さんだってことは分かるんだけど、今一つ好きになれないとこがあるんである。だから思想性なんて皆無の半村良版『戦国自衛隊』(作者本人が「思い付きだけで書いた」とかつて後書きで告白してるんだよな)のリメイクの担当者としては余り相応しいとは思えないんだけど、ほかに角川が頼みにできる作家がいなかったんだろうな。
その福井晴敏の「原作者あとがき」がまたこの人の「眼の低さ」を露呈していて、作画野―の光吉賢司氏を賞賛するのは構わないんだけれども、それがまあやたら「天才」って表現を連発するものだから、かえって「そこまで誉めるほどのものか?」と首を傾げたくなってしまうのである。確かに構成、作画ともに素晴らしいことは認めるんだけれども、「天才」というほどじゃない。そんなこと言いだすなら、マンガ界は天才ばかりがひしめきあってるって。スタッフに関わってる人間が身内をやたら誉めると「誉め殺し」に終わるんで、そういう機微に気がついてないあたりも福井晴敏がイマイチ信用できないことの一因になってるんである。
でも実際、「骨組み」ばかりで小説・映画ともに決して面白いとは言い難かった半村良版に比べると、結構面白くはなっている。
日本各地で発生する謎の虚数空間。このままではこの世界を含む次元空間そのものが無に帰してしまう。その原因は六年前に起きた自衛隊のタイム・スリップにあると判断した技術研究本部の神崎怜は、事件の中心に元陸軍一佐・的場毅が関連していると見抜き、かつて的場の部下であった鹿島勇祐に助力を求める。
ご都合主義的設定や展開は随所にあって、戦国の世での歴史の改変がどうして平成時代にだけ影響を及ぼしているのかとか(「等価交換」ってことだけじゃたいして説得力のある説明にはなっていない)、更に未来からの干渉がないのなら、この事件自体が実は歴史的にたいした影響を及ぼさないってことなんだから、つまんないじゃないかとか(もちろん、宇宙の歴史が平成で終わっちゃったのなら更に未来ってのはありえないわけであるが)、基本的なSF設定がかなり雑なんだが、ともかく『戦国自衛隊』シリーズは「自衛隊が戦国で大暴れする」アイデアの面白さだけを楽しめばいいのだから、SF設定がどうのこうのってのは気にしたってしょうがない面はあるんだよね。
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05月29日(日)
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