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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■女になって出直せよ/『DEATH NOTE(デスノート)』4巻
こんな夢を見た(夢の話だからね。絶対に勘違いしないように)。
よしひと嬢が引っ越しすることになった。
それで私としげは、その手伝いに行くことになったのだが、その引っ越し先というのがとんでもないことに、総合アミューズメントパークになっているのである。しかもまだ建設途中で、あっちこっちに鉄パイプの骨組みが見えている。よしひとさん、なんてところに引っ越してんだ、と思ったが、手伝いに来た以上は逃げられない。しかも今日は肝心のよしひとさんが都合で来られないのだ。私としげだけで引っ越しは片付けなければならない。
覚悟を決めて入口から入ろうとしたのだが、受付でなんだかやたら身体中ぴかぴかとネオンみたいに光るコスチュームを付けたねーちゃんに、「ここは女の子しか入れません」と制止されてしまった。
「引っ越しの手伝いなんで入らないといけないんですよ」
「規則ですからダメです」
受付嬢はニベもない。そばで見ていたしげが「しかたないわね。えいっ!」と、急に魔法のステッキを振った。途端に私はハカセ(穂稀嬢)と身体と魂が入れ替わってしまった。思わず「ああ、オレ、ハカセになっちゃったよお!」と頭をかかえた(よく考えれば、頭をかかえなきゃなんないのは、身体を乗っ取られたハカセの方だと目覚めたあとで気付いた)。
けれどこれで一応、問題はクリアーできたので、パークの中に入る。よしひと嬢の引っ越し先は何階か上なので、そこまでエレベーターかエスカレーターで上っていかなければならないのだが、やたらでかいパークなのに、入口がすごく狭くて、大人一人すら通れない。ハカセになっていなければ、もとの私だと確実に詰まってしまうくらい狭いのである。エレベーターとは言うものの、水圧で押し上げるダスターシュートみたいな構造になっていて、一人しか乗れない。しげ、そそくさとその中に入り込んで横たわり、どうすりゃいいんだかとおろおろしている私を尻目に、「あんた、これの乗り方も知らないの? 遅れてるう!」と言って、水飛沫を上げながらシュイン、と軽やかな音を立てて、先に上って行ってしまった(ダスターシュートなのになぜ上に昇れるのだろうか)。
仕方なく私は横の狭くて細い鉄製の螺旋階段を、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』のしんちゃんのように、必死で昇るハメになってしまった。
7階まで昇って、体力が尽き、もうダメだ、これから先はエレベーターで行こう、とそこの階で降りた。実はちゃんとした普通の、20人くらいは軽く乗れる大きなエレベーターもあったのである(だったら最初からそのエレベーターを使えばいいじゃん)、
そこは帝国劇場のようなフロアで(つか内装はまんま帝劇で、当然舞台もあった)、森繁久彌のサインも売っていたのだが、もちろん今は引っ越しが優先されるので、そんなもんを買っているわけにはいかない。第一、今の私は身も心もハカセになっているので、モリシゲのサインなんぞ欲しくもないのである。
「遅れちゃう、遅れちゃう」と言いながら、エレベーターに乗りこもうとしたら、しげがそこから降りてきた。「あんたがあんまり遅いから、もう一回来てやったよ。さあ、あっちから昇ろう」と言って、別の場所に無理やり連れて行く。「あの、そのエレベーターで昇ればよいのでは?」とハカセ口調で反駁するが、しげは聞く耳持たない。「下りのエレベーターが昇ってくるの待つより、こっちのほうが早いよ」とむりやり私の手を引いていくのである。いつもの私ならともかく、今はハカセになっているので、私はしげに抗う力もないのだ。
と、客がやたら並んでいる行列に並ばされたのだが、それ、エレベーターに乗ろうとする行列じゃなくて、ウォータースライダーの並びだった。「これ、下に降りちゃうじゃん!」と慌てたが、時既に遅し。もう後ろにも人がたくさん並んでいて、どうにも逃げられない。しかたなく、しげと一緒にウォータースライダーに乗ったのだが、しげ、ずぶ濡れになりなから「きゃははははは」と笑って喜んでいる。要するにこいつ、遊びたかっただけなのだ。
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11月03日(水)
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