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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■たいしてマンガ読んでないのかなあ。/『PLUTO プルートウ』豪華版1巻
 小雨のぱらつく中、博多駅の紀伊國屋へ。
 いつもは本を買いに行くためだけに出掛けるのをしげは嫌うのだが、今日は目的のブツが浦沢直樹の『PLUTO』だから、何の反対もせずイソイソと出かける支度をするのである。DVD『サムライチャンプルー』の2巻も入手。ついでに『MONSTER』のDVDも予約してしまったが、ちょっとここらで給料上がってくれないと、月々のDVD代がハンパな額じゃなくなってきているのである。……いや、買うの控える方がマトモな発想というものではないのか(^_^;)。


 手塚治虫×浦沢直樹『PLUTO プルートウ』豪華版1巻。
 先に書いときますが、内容には一切触れません。このマンガの面白さ語り出したら、それこそもう絶対に止まらないから(^o^)。いやもう、これだけ密度の濃いマンガ読まされたら、なんかしばらくほかの
 連載中から、こいつだけは豪華版が出るんなら絶対そっちで買おうと決意していたのだが、いや、やっぱり買ってよかった。
 「とりあえず中身読めりゃいい」と仰る方にまで1800円出して豪華版買えとまでは言わないけれど(こういうのは売れ行きが悪いと次巻から出なくなることもある)、やはり雑誌サイズの大きなページでカラーページも再現されてる、となると、迫力が違うのである。表紙のメタリックな装丁もすっげーいい。アトムの輪郭の切り抜きの向こうからゲジヒトが覗いてんだからもう<カッコいいこと! 手塚治虫の『地上最大のロボット』を付録につけてたのは、すでに何冊も持っている(^_^;)身にしてみれば「またかい」なのだが、これで初めて『アトム』を読む、という人にはボーナスだろう。
 でも、しげは『プルートウ』読んだ後、『地上最大のロボット』を読んで、「つまんない」と言って放り出してしまった。そりゃ昔のマンガだし、少年マンガどころかコドモマンガなんだから、表現が単純なのはその通りなんだけれど、エッセンスは感じてほしいところなんだけどなあ。


 書庫から溢れ出てるマンガの山を見ていると、それなりの量を読んできたもんだとは思うけれども、では自分がマンガだの小説だのの読み巧者になれたのかというと、そんな自信はない。こないだ『ダ・ヴィンチ』を読んでいて、月間マンガ売り上げベスト20を見たら、買ってるやつが『鋼の錬金術師』8巻の1冊だけだったので愕然とした。
 多分、私がひと月に買うマンガは30冊から40冊、ヘタをしたら50冊近く買う月もあると思うのだが、そういうのがほとんどメジャーではないのである。今、売れ筋のマンガに少女マンガ系、オタク系、が多いってこともあるんだろうが、つくづく自分の感性と若い人たちとの感性との間に溝があるんだなあ、と感じざるを得ない。こちらがトシ食った分、今更通り一遍な恋愛ものとかヤンキーマンガとか、読む気になれなくなっちゃってはいるのだが、それにしても、人気マンガのリサーチ能力が学生のころに比べると格段に落ちている。結婚して本屋の立ち読みの時間がなくなっちゃったってのも大きいよなあ。
 けれども、じゃあ「売れてるマンガ」に食指が惹かれるかというと、なんかタイトル聞いただけでゲンナリするようなのが多くてねえ。みんな同人誌上がりじゃねえかってくらい、クサイんだわ(^_^;)。
 正直な話、『ハガレン』だって原作派の方には申し訳ないが(また私の周囲って、原作派しかいねえんだよな、これが)、荒削りで物足りない部分がかなりある。日本製のファンタジーはゲーム系から流れた関係で、マンガも小説も全体的にレベル低いから(「富士見ファンタジア文庫」系のことね。世界観デタラメだもん)、愚作が腐るほどある中では比較的おもしろいってだけの話だ(錬金術を魔法でもエセ科学でもなく、「等価交換の法則」によって世界を構築する原理として描いた点が新しくはあったが)。
 加藤くんとか、ハガレンを「壮大で重厚」って言ってたけど、この程度の設定で壮大とか言わんでくれと言いたくなる。『指輪物語』やら『ゲド戦記』の立場、なくなっちゃうでしょ。作品ってのは、その作品に見合った適切な評価をしないと、かえってその価値を貶めてしまいかねないのである。

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10月02日(土)
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