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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■美人プラス1
まる一日出張。と言っても、仕事と言うか、業務研修である。規模だけなら超大企業だから、もうワラワラとあっちこっちの支店から社員が集まってくるわけだが、中には以前、同僚であった人との再会なんかもあったりする。
朝方しげに車で竹下駅まで送ってもらって、それから電車に乗りこむ。
電車の中で、ちょっと居眠りこきかけていたら、細身の美人さんがスッと近寄ってきて、「○○さん(私の本名)ですか?」と声をかけてきた。2年ほど前、ウチの職場に出向してたことのあるUさんである。今日もまた別の支社に出向とか。立場がまだ不安定なようで大変である。
Uさん、何と言うか、鄙にも稀なる美人さんでいらっしゃるのだが、以前はメガネをかけていらして、髪はひっつめ、いささかケンのある雰囲気であった。それが、今日はコンタクトにされているのだろうか、素顔で髪もゆったりと流していて、こちらがちょっとドキッとするくらいに美しい。なんだか真正面からお顔を見るのが憚られるほどである。……これって「萌え」ですか?(^_^;)
メガネを外すと美人というのはマンガみたいだけど、あれ、度がキツイメガネかけてる人だとホントにそうなることあるのね。眼の大きさがガラリと変わっちゃうのである。以前から、物腰がやわらかく、言葉も今時の若い人には珍しいくらいに丁寧で、なんかちょっと『らんま1/2』のかすみお姉さんと喋っているような感じであったのだが、今もその雰囲気は変わってはいなかった。……いや、一日出張でちとばかし草臥れそうだと憂鬱であったのだが、なんか出掛けに元気の出る出会いがあったことである。
出張の内容が「研修」であるから、当然、一日一室に閉じ込められるわけであるが、部屋に入って時間待ちをしていたら、ちょっと目立つ感じの美人さんがスッと私の側に寄って来て、「○○さんですか?」と声をかけてきたので、ビックリした。……似たようなことが続くものである。
その女性、もう6年くらい昔に、一緒に仕事をしていたKさんで、そのころも若くて美人さんであったのだが、お久しぶりでお会いしてみると、なんかもうモノ凄く「磨き」がかかっているのである。確かしげより一つくらい年下だったはずだから、まだ20代、ご結婚は数年前にされていたとハガキを頂いていたから、多分幸せ真っ盛りの新婚さんであろう。にっこり微笑んだ口元のホクロがかわいらしく、こりゃ同じ職場の男どもにはなかなか目の毒であろう、という風情である。同僚であった時もまあまあ私と気が合って、仕事も楽しかったのであるが、6年経っても私のことを忘れずにいてくれていたとは感激であった。……なのに、実を言うと私の方ではKさんの旧姓、とっさに思い出せなかったのだった。ダメじゃん(~_~;)。こういう女性に対する記憶力がない人間って、得てしてモテないので、世の独身男性諸君はこの点、充分注意するように(でも、記憶力がありすぎる人間もまたモテないので、バランスが難しいのよ)。
いやまあ、仲がよかったとは言っても、Kさん、同僚時代からストレートにモノを言う方だったから、「私、○○さんとだけは絶対結婚しません」とか言われてたんだが。するもしないも、私、その時点で既婚者だったんだけどねえ(~_~;)。こうもハキハキしているといっそ清々しいくらいで、今思い返せば、あれだけ何の屈託もなく会話ができて仕事のしやすかったことは後にも先にもなく、私としては実にありがたい方であった。今のトンガリさんと取り替えたいよ、ホントに(T∇T)。
もっともそのころは、もう一人同僚でKさんと犬猿の仲の方がいて(♂)、この二人の間に挟まれて仲裁もしなきゃならなかったので、決して全てが順風満帆だったわけではなかった。そのもう一人の人は数年後にとんでもない不祥事を起こして今は依願退職している。そのことを伝えるべきかどうか迷ったが、もうどこかで風のウワサに聞き及んでいるかもしれないし、ことさらイヤな名前を思い出させて不快な思いをさせてしまうのも悪いので、研修の合間は楽しい思い出話だけに終始した。
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08月25日(水)
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