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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■入院日記11/存在の耐えられないデカさ
 俳優の高木均氏が、昨11日、虚血性心不全のため死去、享年78。
 声優としては何と言っても旧『ムーミン』におけるムーミンパパのイメージが強くて、温厚で頼り甲斐のある人のようなイメージがあるが、舞台やドラマなどでの顔出し出演では、陰険で悪辣な役が多かった。堺正章主演の『西遊記』じゃ、大食らいの妖怪だったかを演じていたような。
 黒澤明の『蜘蛛巣城』を見ると、冒頭で城主役の佐々木孝丸の側にいるのが高木さんなのである。まあ本当にチョイ役もチョイ役なのだが、あのギョロ目はやっぱり目立つ。これが高木さんの映画デビューであった。
 決して芝居のうまい人ではなかったが、存在感はあった。使いどころがよければ、もっともっと代表作を残せていたように思う。


 同じく昨11日(って訃報と並べたくないような事件なのだが)、茨城県神栖町の吉野家で、ヨッパライが牛丼の販売中止に腹を立てて「牛丼屋なのに牛丼ないちゃあんめぇ!!」と怒鳴り散らし、テーブルをたたいたり蹴ったりした。更にそれを注意した客の男性2人を殴り、茨城県警に暴行の現行犯で逮捕された。
 男は調べに対して「販売中止を知らなかった」と話して反省しているということだけれど、ホントかね。まあ、ウチの女房のように新聞も読まなければテレビのニュースも見ない、自分の興味を引くことにしか関心を持たず、世間の動向と隔絶してて全然平気という人間もいるから一概にウソと決めつける気はないが。
 でもなんでそこまで牛丼に拘るかね。鮭定でガマンしとけよってな。


 同室のご老人、今日、退院。昨日あのにっくき関西人をへこませてくれた方である。
 奥さんが迎えに見えられて、かいがいしく世話をされているが、ほかのご家族はどうしたのだろうかと、余計なことが気になる。
 何となく親近感を感じて、別れ際にいろいろ話しこんでみると、なんと息子さんが私と同業者であった。
 「もう36にもなるけど、まだ独身でしてね、早く孫の顔が見たいんだけれども」
 「いい人はいらっしゃらないんですかね」
 「さあ、忙しくてそんなひまはない、と言っててねえ」
 ウチの職場にも四十間近で独身っていう人、たくさんいるからなあ(^_^;)。忙しくて忙しくて、朝は6時に出勤、帰宅は10時11時はザラ、下手すりゃ職場に泊まりこみで家じゃ寝るだけで、睡眠時間も平均3、4時間、トテモ恋人作るヒマなんてあるわきゃない、なんて話はよく聞く。「頑張ってください」としか言えないのであった。


 しげから、今年のバレンタインチョコがやっと完成したと画像付きでメールが届く。
 年々巨大化していくしげのチョコであるが、今年の型は道路工事のときなんかに置かれている標識のコーン。アレを使って、丈が50〜60センチはあろうかという巨大パラソルチョコを作ったのだ。……ようやるわ(^_^;)。
 受け取る相手は毎年恒例の其ノ他大勢君である。あんなもん作って送る方も送る方だが、毎年律義に受け取って、しかも一ヶ月とか時間をかけるとは言え、全部キレイに食ってしまう方も根性が座っていると言うか、意地っ張りと言うか。しげは「これは勝負だ」と公言しているが、何をもって勝ち負けと裁断するんでしょうかね。
 糖尿になって唯一よかったことがあるとすれば、この巨大チョコを食わされずにすんでいるということであろうか(--;)。


 おそうじのおばさんと世間話をしていて、「えっ、博多の人なんですか!」と驚かれる。共通語に近い感じで喋っているので、東京人と間違われたのである。
 「若い人にはもう博多弁が通じなくなってますから、あまり博多弁を使わないようにしてるんですよ」
 おばさんも、同様の経験があるらしく、うんうんと頷いている。
 「『ばい』や『たい』や『くさ』まで使われなくなると淋しいですね」
 冗談めかしてそう言ったが、これが杞憂とも言いきれない状況が現実にある。この中でまだ生き残っているのは「たい」くらいで、「ばい」と「くさ」は若い人の間では消えつつある。

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02月12日(木)
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