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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■オタクな本屋にクラシックは似合わない/『TNくんの伝記』(なだいなだ)/映画『デブラ・ウィンガーを探して』ほか
 ノンフィクション作家の鈴木明さんが、22日に、虚血性心不全のため死去していたことが判明。享年77。
 記事にはその代表作として、大宅壮一ノンフィクション賞受賞作の『「南京大虐殺」のまぼろし』や『リリー・マルレーンを聴いたことがありますか』などが紹介されているが、私が読んでたのは『リリー・マルレーン』の続編とも言うべき『わがマレーネ・ディートリッヒ伝』と『維新前夜』、ともに小学館ライブラリーの一冊である。
 ノンフィクションと言いつつ、情感溢れる筆致は小説のそれに近く、「実録」作家としてはこの書き方は評価されにくいんじゃないかなあと、やや心配した覚えがある。
 『わがマレーネ』はベルリンの壁崩壊時の本人へのインタビューの失敗と、万博の思い出から書き起こされているが、歴史に翻弄されたドイツ女性の歌声が、歴史を愚弄する万博に招聘されたというのもまた歴史の皮肉であるとと鈴木氏は捉えていたようだ。敗戦を16歳で迎えた筆者にとっても、1070年のあの狂乱はいったいどんな意味を持っているのか、簡単には掴めない出来事だったのだろう。
 明らかに「浮いていた」ディートリッヒを私も見てみたかったと今にして思うが、当時小学二年生の私には、鈴木氏が困惑した「狂乱」のほうがむしろ心地よかったのである。


 夕方4時、練習帰りのしげ&よしひと嬢と映画に行こうと、天神の福家書店で待ち合わせ。
 時間ちょうどに店に着いたが、二人の姿はまだない。携帯に連絡を入れたが、少し遅れるとのこと。仕方がないのでしばらく買う本を物色する。
 店内にはなぜかジャズが流れているが、これ、二ノ宮知子の『のだめカンタービレ』に使われてる曲なのだった。なんか聞いたことあるな、と思ったが題名がどうにも思い出せない。どうやらちょっと前にサイン会が開かれていたらしく、「二ノ宮知子」コーナーが店の一角に設置されていて、サインが飾られている。「のだめは福岡出身です。応援してね」とか書いてるけど、リップサービスじゃないのかな(^.^)。一緒に今流れている曲がズラリと書かれたパネルも置いてあったので、それで確認してみた。

 ・ベートーベン/ピアノソナタ 第8番 ハ短調Op.13「悲愴」
 ・モーツァルト/2台のピアノのためのソナタ ニ長調K.448
 ・ベートーベン/交響曲 第1番 ハ長調 op.21
 ・ベートーベン/交響曲 第1番・第3番「英雄」
 ・ベートーベン/ヴァイオリンソナタ 第5番 ヘ長調 作品24 「春」
 ・ベートーベン/交響曲 第9番 ニ短調 Op.125 「合唱」
 ・マーラー/マーラー交響曲 第8番 変ホ長調「千人の交響曲」
 ・ベートーベン/交響曲 第7番 イ長調
 ・ベートーベン/交響曲 第3番 Op.55「英雄」
 ・ラフマニノフ/ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18
 ・ドヴォルザーク/第5番
 ・ガーシュイン/ラプソディ・イン・ブルー
 ・メフィスト/ワルツ第1番S.514「村の居酒屋での踊り」
 ・エルガー/ヴァイオリン・ソナタ ホ短調op.82

 ツラツラと眺めていって、ちょうど今流れてるのがジョージ・ガーシュインの『ラプソディ・イン・ブルー』であることに気がついた。こんな有名な曲までど忘れしてるんだから、ボケは確実に進行してるんである。
 「クラシック音楽コメディ」とオビに書いてあるが、そのわりには随分ベートーベンが多くないか。イカンというわけじゃないが、バッハとかハイドンとかヴィヴァルディが全然出てこない。けど、好きな曲も結構あるので、とりあえず1、2巻だけ買ってみることにする。
 そうこうしているうちに、二人が到着。待ちあわせ時間より30分も遅れてきたが、アクロス福岡に次回公演のチラシを置いてきたとのこと。それならそうと連絡を入れておけと言うのだ。全く気が利かないったらありゃしない。
 映画までにはまだ時間があるので、よしひと嬢も何か出物はないか、探している。押井守&大野安之の『西武新宿戦線異状なし』の完全版が出ていたので奨めると、「絵が嫌いなんだけどなあ」と言いつつシッカリ買っている。この分なら、押井守ボックスを買うのも時間の問題だろう(^o^)。

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07月26日(土)
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