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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■書くことない日はない/『Holy Brownie ホーリープラウニー』2巻(六道神士)
仕事が忙しくて、帰宅が10時直前。
こうなると、日記書いて、チャットして、それで寝るだけだから、日記に書くこと何もないなあ、と思っていたら、新聞に春風亭柳昇師匠死去の報。死因は胃がんで、享年82。
近年、ずいぶん痩せ衰えていらっしゃったし、入院されていたことも話に聞いてはいたので、いきなりのショックは受けなかったが、やはり寂しい。
いくつかオタク系の掲示板を覗いてみると、「あの春風高校の柳昇校長が」という形で話題になっている。……なんだか、落語家が亡くなった時の追悼の感じじゃないねえ(-_-;)。
だいたい「ヤナギノボル」ったって、そりゃあくまでゆうきまさみのマンガのキャラクターであって、柳昇師匠とは関係ないじゃん、オタクの判断思考って、やっぱり我田引水、牽強付会なところが多すぎないか、志ん朝師匠のときは冷淡だったのに、こういうおかしな追悼の仕方をするのか、とちょっと憤慨したいところなのだが、実は柳昇師匠、CDでしっかりと柳昇校長を演じているので、文句はつけられないのである(^_^;)。パンフのコメントにもあったが、ご本人は出演をとても喜んでおられたらしい。
ましてや、『究極超人あ〜る』映画版の監督、知吹愛弓氏は柳昇師匠のご子息だから、オタクの反応が強いのも仕方がないところだろう。実際、私だって、一番印象に残ってるのは、『究極超人あ〜る ザ・夏祭り』上映会で、師匠がビデオゲストで登場して「ヤナギノボルと言えば、日本で私ただ一人でございます」と、ご自身のネタを自らパロって見せたことだった。こういうおおらかさが持ち味の人だった。
落語好きの私ではあるが、ナマで見たことのある落語家さんはごく少数である。柳昇師匠だって、さて、テレビでどれだけ見たか、さほど記憶にない。こういうとき、寄席通いを子供のころからしていたこうたろう君改めグータロウ君のような東京人が、うらやましくなるのである。
マンガ、六道神士『Holy Brownie』2巻(少年画報社/ヤングキングコミックス・520円)。
ピオラとフィオの極楽妖精コンビのお助けタイムトラベルも第2巻。『エクセル▽サーガ』よりもSF度が高いところが私としては好みなとこなんだけれど、ギャグなのになんか読んでると切なくなってくるのよ、これが。
それは多分、ピオラたちが救おうとしてる(たいてい救えないが)人間たちがものの見事にバカ揃いだからだろう。
自分に才能があると信じて、妻を顧みない科学者。
竜宮城に帰ることを夢見る年老いた浦島太郎。
薬草を取りにのこのこ森に入りこんで山賊に犯された村娘。
ロクデナシの夫を抱えて仕方なくヘンゼルとグレーテルを捨てた継母。
恋人の「正体」も知らず、城にさらわれた彼女を救いにいく青年。
救ってやるほどの価値もない彼らを、神様はどうしてピオラたちに「何とかさせよう」とするのか。
それもまた予定調和の一つなのか。神の掌の上で踊らされていることを彼らは知らない。しかし、それは我々読者とても同じことではないのか。
つまり、作中に登場するバカな面々はまさしく我々の象徴であり戯画化なのである。どうして同情せずにいられるだろうか。
06月16日(月)
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