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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■なんでも食うよ/『ブラックジャックによろしく』4巻(佐藤秀峰)/『プリズム』(貫井徳郎)ほか
「人生の一大事は食うことである」とはしげの行動原理だが、もう私はしげに逆らうことはしない。
「今日の食事はどこにする? 『王将』? いいよいいよ」
なぜしげがそこまで「王将」に拘るか、などという疑問はとうに捨てました。
姉の娘さんがここで働いてることは前にも書いたが、案外出会うことがない。今日はちょうどいて、目線で挨拶をかわす。働き始めてもう3年くらいになるだろうか、随分背も伸びた。おそらくそろそろ高校も卒業じゃないかと思うんだが、幸いなことに学校の方に無断アルバイトしていた件はバレていないようである。
だいたい、たかが学校フゼイが、法で禁止されてるわけでもないのに、人んちの家庭事情に立ち入ってアルバイトをさせない、というのが言語道断横断歩道なのである(このギャグ最初に言い出したの誰だったかなあ)。あたら10代の若い時期を、机上の勉強だけさせててなんの社会常識が身につくもんかね。
13歳過ぎたら、世の中はもっともっと子供をバイトさせたほうがいいと思ってる親、多いと思うぞ。いや、バイト禁止の学校があってもいいんだが、少なくともどこも一斉に同じじゃなくて、許可してるとこと禁止してるとこが半々なのが公平でいいと思うんだが、このへんの学校、みんな「右へ習え」だからねえ。その方が「教育したフリ」ができていいんだけろうけどさ。
壁のポスターを見ると、「新製品」と銘打って「トントロラーメン定食」ってのがあったので、そいつを注文。ラーメンもトンコツなので多少、臭みはあるが、歯応えはあって美味い。
NHKBS2で『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』。
LDも持ってるし、多分そのうちDVDも買いそうだ。けれどこうやって放映してるとつい見ちゃうんだよねえ。今さらこんな有名な映画を解説したってしょうがないよな、とは思うが、私の文句なしフェイバリット・ムービーの一つだから、そうもいかないのである。
原題は“DR. STRANGELOVE. Or:How I Learned To Stop Worrying And Love The Bomb.”つまり正確に訳すのならこれは「ストレンジラブ博士」という人物名なのであって、「博士の異常な愛情」ってのは意訳なのだけれど、こちらの方が日本人には通じやすかろう。
実際、このドイツから亡命してきた既知外博士は、核戦争が起きれば「選ばれた民」のみをシェルターに隔離し、男一人に女数人をあてがえ、と主張するのだが、これがナチスの「優良種」思想に基づくことは明白である。
冷戦構造が崩壊しても、戦争の火種はなくならない。
そういう現実を見れば、狂気と疑心暗鬼と事故が戦争のスイッチを押してしまうこのブラックユーモアに満ちたSF映画は、時代を経ても普遍的にイントレランスな世界観を描いた作品として生き残っていくのではないか。
……と、一応、マジメな解説はここまでにしといて、やっぱりスバラシイのは、キューブリック映画においてもピーター・セラーズがちゃんとピーター・セラーズ演技を見せてくれてるってところだね。狂ったジャック・リッパー将軍(スターリング・ヘイドン)からなんとか攻撃中止命令の暗号を聞き出そうと、マンドレーク大佐(セラーズ)が懸命に媚を売りまくるのだが、人類滅亡が迫っているだけにその切迫した事態とのギャップが激しくて笑えるのである。
マフリー大統領とストレンジラブ博士もセラーズが演じているから、彼の出番は最後まであるのだが、人類滅亡の瞬間にマンドレークにもう一つくらいギャグをトバしてほしかったと思う。
マンガ、佐藤秀峰『ブラックジャックによろしく』4巻(講談社/モーニングKC・560円)。
違和感がどんどん増してきている。
その違和感の正体がなんだか、これまではあまりうまく言葉にできなかったのだが、ようやくハッと気がついた。
これ、やっぱ医療マンガじゃないのだ。
確かに、これは現実に存在している病気を扱っている。
作品中で描かれている医療現場での様々な問題も本当のことが多いのだろう。
それでもこれは「ただのフィクション」なのであった。
しかも極めてステロタイプのドラマ。
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01月30日(木)
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