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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■大掃除Part2/CD『檸檬』(遊佐未森)/DVD『サイボーグ009 バトルアライブ9 〜審判〜』
 昨日の分に書き忘れてたCD遊佐未森の『檸檬』の感想。
 『週刊文春』の『人生は五十一から』で小林信彦が推薦してたんで前から欲しいとは思ってたんだが、DVDを買うのに忙しくて、つい気が回らなかったのである。CDも一時期は貪るように買ってたんだが、ここしばらくは気が向いた時にちょっと買う程度で、日記にもあまり何を買ったの聞いたのとは書かないでいた。しかし、これは久方ぶりのヒットである。小林信彦推奨の理由は、過去の曲を現代風にアレンジし直すのでなく、「その時代の雰囲気を現代に再現しようとした」点にあることは明白。平井堅の『大きな古時計』とはベクトルが全く違っている。ある意味、遊佐未森は自らの個性すら殺し、「自分が当時の歌手としての歌い方を指導されたらどう歌うか」に腐心しているのだ。アーチストを気取ってるだけの薄っぺらな歌手とは一味も二味も違う。

 勝手な憶測だが、遊佐未森、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』を見てるんじゃないか。『ヘンダーランドの冒険』に登場したトッペマ・マペットことメモリ・ミモリ姫は遊佐未森がモデルなんじゃないかと、これも私は妄想をたくましくしているのだが(だって彼女だけだよ、シリーズ中で『歌姫』なのは)、そのつながりで『オトナ帝国』を見て、ノスタルジーに創作意欲を掻き立てられてこの『檸檬』を作ったんじゃないか。
 だいたいこの『檸檬』というアルバムタイトルがもう梶井基次郎の『檸檬』を想起させずにはいられない。あれって「精神的テロリズム」の物語なんだよね。『オトナ帝国』のケンに通じるところはないか。
 ……いや、根拠が薄弱なのはわかってますよ。わかってるけど楽しいじゃないの、こういう空想って。

 収録曲は全部で九曲。ランニングタイムが31.58と短いが、精選されたが故、と見てよいだろう。
 @青空
 A月がとっても青いから
 B南の花嫁さん
 Cアラビアの唄
 Dゴンドラの唄
 E小さな喫茶店
 F夜来香(イェライシャン)
 G蘇州夜曲
 H森の小径

 掲示板にも書いたが、一曲目の『青空』(『マイ・ブルー・ヘブン』)、「せまいながらも楽しい我家 愛の灯影のさすところ」の「灯影」を「ひかげ」と間違って読んでいる瑕瑾があるが(本当は「ほかげ」)、清澄で伸びのある声は充分に昭和初期へのノスタルジアを掻き立ててくれる。
 しげに、「この曲とエノケンの『マイ・ブルー・ヘブン』と今度の芝居のテーマソングに使うってのどう?」と聞いたが、「すれば?」とつれない返事。しげにはあまりこの曲も歌い方もよくは聞こえないらしい。
 「だって『大きな古時計』と同じじゃん」
 ちげーよ!


 今日も鴉丸嬢が部屋を片付けに来てくれる。
 来てくれるのはありがたいのだが、捨てられちゃ困るものまでポンポン捨ててしまうので、ちょっくら困りものではあるのだ。「それ捨てないで」と言ったらギロッとこっちを睨むし。……いっぱいいっぱいだなあ、鴉丸さん。
 しげは時々思い立ったように「手伝い人」を連れてきては部屋を大掃除し始めるのだが、誰もが一様に精神に以上を来たしてしまう。ゴミの多さにマジギレしてしまうのだ。片付けても片付けても床が全然見えてこないので、悲鳴と怒声が上がるが、私は今回は片付けを「手伝わない」と決めている。

 そもそも、そこまでウチの中が散らかってしまったのが誰のせいかと言えば、やはり8:2でしげのせいなのである。これは決して私が自己弁護のために言い訳をしているのではない。それが証拠に、私がかつて片付けた部分は本もビデオも整然としているのに対し、しげの担当した部分は常に乱雑、どこに何があるかもわからない。ひどいのになると、私がまとめておいたゴミを寝惚けて蹴り倒して「アンタの出したゴミだから、アンタが片付けり」とか言ったりしているのである。これでしげに対して怒らないほうがどうかしている。

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11月30日(土)
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