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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■多分今日は死にかけていた/映画『千年女優』/『ロード・トゥ・パーディション』
 昨日の日記で書き忘れてたことから。
 しげから鴉丸嬢の原稿〆切が今月末であることを聞く。本気でエロマンガ作家を目指している鴉丸嬢ではあるのだが、その奔放な発言とは裏腹に、根は純情なお嬢さんなのである(最近の女の子はみんなそれなりに経験値積んでるんで、本気でエロなやつかどうか判別しにくくなってるのだ)。
 正直な話、ドロドロな人間関係には抵抗力がなさそうなので、あまりソチラの世界には行かないほういいような気もしているのだが、本人はもうこれが貧乏脱出大作戦、とばかりに頑張ってるので、一概に「やめとけば?」とも言いがたい。
 しげの話だと、なんか話造りに煮詰まってて、私に相談したがってたそうだ。
 「出来上がったやつの感想聞きたいっての? でも描き直すヒマはないでしょ」
 「だから、次の作品の意見を聞きたいってことじゃないの? 話造りには自信がないみたいだから」
 話造りに自身のないやつがマンガ家目指すのか、とも思ったが、実際に原作ねーと描けないマンガ家もいるしな。いや、そんなマンガ家になることを目指されてもなあ。
 けれど、鴉丸嬢も私の性格については先刻ご承知のはずである。私に相談されても、まず辛辣なことしか言わんだろうということはわかってて、それでも聞きたいんだろうか。だったらマジで見込みあると思うけど(マンガ家として立って行けてる人の大半は理不尽な悪評にも負けてはいない)、どんなもんなんだか。なんだかんだ言っといて、原稿を見せに来ないに5千点。


 今日は映画に行く約束の日。見たい映画が2本あるので、さてどうしたものかと考えたが結局今日のうちにハシゴすることにする。連休なんだから、1本は明日に回しゃいいじゃん、というご意見はあろうが、連休のうち一日は休んでおかないと、カラダが持たないトシになってるのである。
 いつものごとく、朝寝しているしげを叩き起こして、まずはキャナルシティに向かう。映画の時間を見たら10時からということだったので、時間を気にするしげに気を遣って、9時過ぎには家を出たのだったが。
 しばらく運転していて、しげ、急に「しまったあああ!」と叫ぶ。いつもながら、甲高いしげの声は心臓に悪い。
 「どうしたんだよ、いったい」
 「財布忘れた!」
 「ウチにか? 取りに帰ればいいじゃん」
 「違う、職場!」
 「……なら、職場に取りに行けばいいじゃんか」
 「まだ、店、開いてない。今行って、カネが無くなったりしてたら一発で犯人だと思われるからイヤだ」
 なんだか杞憂じゃないかとは思うが、李下に冠を正さずの例えもある。ましてやしげは李下で冠を正しながら踊ったりジャンプしたり果物食ったような臭い屁をこいたりするような行為に及ぶことはしばしばなので、用心するアタマが働いてるときには働かせておいたほうがいい。
 しかし問題が一つあった。私にもカネがないのだ。
 仕方なく財布は帰り道に取りに行くことにして、とりあえずしげにはカネを銀行から卸してもらうことにする。今日はしげの奢りの約束だったので、私はナケナシの食費を出さずにすんだのであった。

 キャナルに着いてみると、映画は10時40分から。どうやら時間を見間違えてたらしい。
 「だったら10時に店に行けたのに」
 と、またしげの機嫌が悪くなる。銀行の手数料を取られたのがそんなにも惜しいらしい。相変わらずケチ臭いやつである。
 時間が余ったのでウェンディーズで朝食。ここのハンバーガーはほかの店に比べて二割はチーズ増ししてると思うが、これも、もしかしたら肉の味を誤魔化すためだろうか。

 
 映画『千年女優』。
 『パーフェクト・ブルー』に続く、原案・脚本・監督・キャラクターデザインの今敏と、脚本、村井さだゆきコンビ第2弾である。
 前作がサイコホラーとしてなかなかの出来だったので、今回も相当の期待をして見に行った。

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10月19日(土)
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