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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■東京曼陀羅/「ミステリー文学資料館」ほか
しげ、とうの昔に仕事は終わってるはずなのに、遅刻の連絡一つない。もう時計は6時を回っている。このままでは飛行機に乗り遅れてしまう。
シビレを切らして、しげに電話を入れたら、職場でお仲間どうし、駄弁っていたのであった。私を焦らせるイヤガラセか、と思って文句を言うと、しげ、冷ややかな声で「台本上がったと?」。
大方の予測通り、もちろん台本は上がっていない。それでも東京行きは決行せねばならない。ここは一番、ウソついてでも誤魔化さねばならない。
「上がったよ……10枚くらい」
「上がっとらんやん!」
小心者なのでウソをつききれないのである。
「話の展開がわかる程度には書いたよ。それでカンベンして」
なんとか拝み倒して、車で空港まで送ってもらえるようにはなったが、やはりしげの機嫌、頗る悪い。
「どこまで送ればいいと? 国際線でいいね」
いいわけない。露骨なイヤガラセである。せめて朝食くらい奢ってやらねばと下手に出たが、ニベもなく断られる。
「ロビーの売店で朝飯くらい食おうよ」
「イヤ」
「いや」の字がひらがなでなく、カタカナである。しかも楳図かずおの描き文字のようにトゲがあるのである。
しげ、空港前で私を落とすと、こちらを見返りもせず、とっとと車を出してしまう。……明日帰宅してからが修羅場だなあ。
飛行機は日本エアシステム。
と言っても、ちょうど今日から日本航空と合併したので、窓口にはJASとJALの文字が交互に並んでいる。合併記念で何かサービスでもあるかと思ったが、そんな気配は全くない。不況型の合併だってことがモロにわかるな。
特にシーズンではないので、飛行機の中はさほど混んでない。というよりガラ透きである。ゴールデンウィークの時とは雲泥の差だ。背もたれのディスプレイで朝のNHKニュースを録画上映しているが、中身は相変わらず拉致関係。被害者の証言と、家族の把握してる事実が食い違ってる、北朝鮮はやはり情報操作してるんじゃないか、という疑惑だが、この期に及んで北朝鮮、まだ隠したいことがあるんかいな。便秘の時の大便のようにキレの悪いことである。おっと、これじゃエロの冒険者さんのウンコネタのパクリだな(^o^)。
チャンネル変えると、新作映画情報など。北野武監督の新作『DOLL』、映像は美しいが予告編を見る限り雰囲気だけって印象も拭えない。あのうざったい「キタノ・ブルー」とやらはあまり見受けられなかったので、それは好感が持てたが。菅野美穂はマジメな女優さんなので好感持ってるんだが、マジメ過ぎてかえって演技の幅を狭めているように思う。ともかくこれは見に行きたい一本なんだけど、しげの興味を惹くかどうか。
チャンネルを変えてアニメ『ちびまる子ちゃん・町内の運動会の巻』。断言しても言いが、機内のいいトシしたオトナ(しかいないが)で、『まる子ちゃん』を真剣に見てたのは、私だけであろう(威張るなよ)。もう相当後期の作品なので、たいした毒もなく、さほど面白くない。『まる子』の最大の長所は、あの時代と空間から一歩も動けない(『サザエさん』はトシは取らないが時代は動いている)点にあるので、普遍性を持たせようと一般的なギャグを入れてしまうと、かえってつまらなくなってしまう。鈴木の爺さんが競争中に転んで腕の骨を折って、「人間も骨が折れると痛いから、子供たちも木を折っちゃいけないよ」って、これ、ギャグのつもりなんだろうか。
今回は定刻通り8時半に到着。
モノレールで浜松町まで行き、こうたろうくんと改札で待ち合わせ。会うなりこうたろう君「やあ、浅見光彦かと思ったよ」とトバす。四月に東京に行ったときもそうだったが、そんな感じの帽子を被っていたのである。
内田康夫はつまんないので、本気でコスプレするなら明智小五郎か金田一耕助のコスプレでもしたいとこなんだが、さすがに和服で旅ってのは動きにくい(それが理由かい)。
のっけから、オタクな会話。
「山本弘さんの『秘密基地』、またどうでもいい話題で盛り上がってるなあ」
「『ゴジラ』のやつとか?」
「今更『どれがベストかワーストか』なんてなあ」
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10月05日(土)
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