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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■なんだかいろいろ/『一番湯のカナタ』1巻(椎名高志)/DVD『ハレのちグゥ デラックス』第2巻/舞台『天神薪能』ほか
9/22の続き。
DVD『羅生門』デラックス版。
いやもう、特典映像がすごいすごい。野上照代のコメンタリーを初めとして、今生きてる当時のスタッフのインタビュー、NHKスペシャルの『キャメラも芝居するんや』(撮影の宮川一夫のドキュメンタリー)と、これならン万円払った価値があろうってもの。
もちろん特典がすごくたって、映像が悪けりゃしょうがないんだが、モノクロのコントラストが見事で、これが五十年前の映画か、と見紛うばかり。以前見たテレビ放映の時のや、リバイバルで劇場で見た時のより数弾優れている。
日本語字幕がつくのも嬉しい。これは多分難聴の人のためにあるんだろうけど、もともと音声が割れ気味で聴き取りにくいんで、字面で確かめられるのは助かる。仮にちゃんと聞き取れたとしても、若い人には「検非違使」なんて、耳で聞いただけじゃなんだか分らないけど、漢字で出してくれてるから、辞書で調べられるだろう。
音声の裏ばなしで言えば、東宝の火事でネガテープが失われ、急遽一部だけ録音しなおしたこと、そのセリフだけ音質が変わってしまっていたこと、今回のインタビューの中で明かされてたけど、それ、昔見た時、気づいてたわ。真砂が夫が縛られてるのを見て多襄丸に襲いかかるシーン、「俺はこんな気性の激しい女は見たことがない」というセリフ、ここだけ聞き取りやすいんである(^o^)。
どうやら目と違って、耳は結構いいらしいな、私。
東京のこうたろうくんから、「また東京に遊びに来ないかい?」と手紙が来ていたので電話をかける。
今週は私もいろいろ舞台を見に行く予定があるし、飛行機の切符が取れるかどうか分らないから、とりあえずこうたろうくんと日程が合うかどうか、確認のためだったが、今週中はまだ無理っぽい。
来月に入ったら行けるかもしれないが、そのときまで私の財布が持つかどうかの問題もある。しげは仕事が目一杯入ってるから、ちょっと厳しい。
けど行きたいんだよな〜、豊島区のミステリー文学資料館で、横溝正史の『八つ墓村』の生原稿を来月12日まで展示してるんである。日曜休館だってことだから土曜に行くしかないけど、どうしても日帰りか、土曜に行って日曜の朝に帰る強行軍になっちゃうしなあ。
二、三日うちに結論出さないとなあ。
マンガ、椎名高志『一番湯のカナタ』1巻(小学館/少年サンデーコミックス・410円)。
地球に亡命して来た星の王子様・カナタさまご一行が居候することになったのは、なんと潰れかけた銭湯・星の湯。跡取り息子のリョウは、大迷惑を被りつつも、持ち前の義侠心から、どうしてもカナタたちを見捨てることができない。そうこうしているうちに、王子様を追って、反乱者の刺客が地球に来襲し始めて事態は笑いごっちゃない展開に……って設定は、こないだ読んだあろひろしの『みこと日記』と似たようなものだけれど、椎名さんのほうが格段にマンガのテクニックが上手い。精進してる人間と、パクリをパクリとも思わない人間との違いが表れちゃってんだなあ。
もちろん、椎名さんの設定だって、藤子・F・不二雄の『ウメ星デンカ』が下敷きにあることは明らかなんだけれど(口うるさいお目付けもいるしな)、やっぱりアレンジは加えてるんである。絵の構図までパクってる(でもその自覚はないらしい)あろさんとは比較にならない。
それに、椎名さんは同様の設定で『ゴリガン』という短編を一度発表している。それを叩き台にして内容を換骨奪胎、更に面白くするためにキャラクターも増やしてるが、決して日常性と非日常性とのバランスが崩れて読みにくくなるような愚は避けている。例えば主人公の幼馴染の彼女は両作に共通して登場するが、あろさんの作品では怪力バカでドラマの邪魔にしかなってなかったけれど、本作のサヤカはボケをかましつつも、しっかりカナタたちが地球に受け入れられる素地を作る役割を果たしてるんである。
キャラはやっぱり作りっぱなしじゃダメだね、ドラマに関わらせなきゃ、って当たり前のことなんだけれど。前回の『MISTERジパング』がやや不発気味だっただけに、今回はぜひとも長く続けてほしいもんである。ついでに『乱波SS』の続きもできたら。
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09月23日(月)
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